黒鷲6日目(決勝戦)
あとでビデオみます。現地でも見たけど。最初の2セットは一方的な展開で,NECのレセプションが安定しないのとNECのブロックが全く機能しないのとで暗澹たる気持ちだったが,第3セット以降ブロックから改善された。試合中に修正できるのは良いこと。第1・第2セットのNECのぐだぐだっぷりと第3セットのパナの自滅ぶり(ミスったというよりも突然不運に見舞われた)から決勝戦に相応しくない試合になるのではと危惧されたが,第4セット以降は競ったいい展開になって,振り返ってみれば好ゲームだった。
改めて,細川の巧さを感じた。細川を入れてから流れが変わった。相手コートをよく見て打ち分けられる選手は,確実にサイドアウトを取れる。プレーは速いのに常に落ち着いている。熱いのも大事だけどクールなのも大事。また,古賀の好レシーブを筆頭に繋ぎは良くなっていて,ワンチが取れれば切り返しができるようになったのは大きい(ブロックは課題が多いが。それに切り返しても決まらないのはもっと課題だが)。これは全体的に低迷しつづけるNECにおいて数少ない底上げされたと考えられる部門。あと,頭の悪さにさんざん頭を悩ませてくれている2〜3年目のサイドアタッカー陣において,前田のプレーに成長の跡が見られて好ましかった。リーグ期間中いっぱいいっぱいだったのかそれともたまたま今大会の調子が良かったのか,滞空時間が長く感じられ,きちんとブロッカーを見てスパイクを打てている場面が見られた。それこそ細川みたいなプレーが見られると楽しいんだろうなあと期待が高まった。
それでも,負けたのは悔しい。宇佐美も岩田も谷村も山本もいなくて負けるなら,そのへんがいたら勝てるはずがないじゃないかと卑屈な気持ち(今井と山本じゃさすがに山本の方が百倍ぐらい怖い)。それで同じリーグにいるなんて恥ずかしいとさえ思った。フェリペに上がると分かってても止められなかったし,そのフェリペ一辺倒に頼り切らずに大竹がうまく散らしていたのも(フルセットになってもフェリペがちっとも疲れないので)効果的だった。そこで,セッターってなんなんだろうね,とも思ったんだけど。大竹自身が敵が全日本×2じゃなかったら即レギュラー張れるぐらいにうまいのか,フェリペをはじめとするアタッカー陣がうまく打っていたのか。人がいない人がいないとたいへんだったけれどMBはいっぱいいて(どうがんばっても今井もMBにしか見えないという意味でも登録選手中フェリペと川村しかサイドがいなかった),中でもそうとう久しぶりにプレーを見た小西は,パナMB陣の中では少ないサーブで勝負できる選手であることやあれやそれやこれやでなかなかに脅威であった。
個人表彰で,若鷲賞は大竹だろうよと思っていたら相澤で,ああなるほど大竹はベスト6だから若鷲賞は相澤なのねと納得したのに,それもものの数十秒で打ち砕かれた。相澤は相澤で(あまり東レの試合はみていないが)相応しい人選のようだが,大竹が無冠とはこれ如何に。消去法選択の結果のフル出場であっても,そういった事情を勘案せずに結果だけみても大竹は若手選手として活躍したし上位4チームのセッターの中でも活躍したと思うんだけど。完全に相手チームのブロックを振っていたし,身長もあるからいくつかブロックも取ってたような。「今からでも遅くないからよそのチームに移籍しようよ」と何度言ったことか。あれで効果のあるサーブを(強打でなくてもいいので)覚えるともっと良くなると思う。サーブといえば菅も。高橋のサーブだけはやっぱり勿体ない。
女子は地力でデンソーがJTを明らかに上回っていて,デンソー目線で危なげない試合に見えた。ロンドンももちろん良かったんだが,それだけじゃなく日本人のレフト2人,細田と岡野がパワーとスピードのあるスパイクをびしばしたたき込んでいたのが印象的で,総合力でデンソーが一枚も二枚も上手だった。MVPは井上で,彼女はブロードがきもちよく決まっていたなあと。JTは昨秋だったかリーグでNEC戦を見た時にはおもしろいチームだと思ったんだけど,なんだかんだで竹下あってのチームなのかなあとかとか。