2009/10Vプレミアリーグ町田大会


※タイトルと本文はたぶんあまり関係ありません。


「Vプレミアリーグの試合」ということであれば,08/09シーズンの最終戦,つまり東京体育館で「しょめーおねがいしまーーす」の合間に見た三位決定戦と優勝決定戦以来の観戦だった。今年も町田市立総合体育館まで行ってきた。


行く前からもやもやした気持ちはあったのだが,第2試合の第2セット終了後,東レチアが演技のセッティングを終えて音楽が始まるのを待つちょっとした静寂の時間に,何かが一気に押し寄せてきて目から涙が溢れた。


NECのセット間演技で10年間聞き続けてきた,NECロケッツの歌(正式名称不明)が男子の試合でかかることはもう二度と無い。いつまで待っても,あのイントロは流れない。


今年FC東京のホームゲームとして行われている町田大会。もちろん,会場がおさえられた時点ではその予定ではなかったはずだ。町田。毎年OBを探すのが楽しみだった町田。帰り道で目の前にもりーを発見して,成瀬駅まで後ろ1mにびったり張り付き続けたこともある。なぜここに巨大ドロンパがあるのか。いや,あるのはいい。東京サポさんが大挙するのもいい。でも,やっぱり,ほんとはこの大会は東京さんの大会ではなかったはずだと思うと,哀しくてしかたなかった。東京さんはNECにかわってプレミアにいるわけじゃないので,ホームゲーム扱い会場の件では色々と無茶な憶測も飛び交ったものだが*1,結果的には東京→東京スライドで丸くは収まった。でも,そんなのたまたまで,それでいいことにしちゃだめだと思う。地元のJFLチームやFリーグチームのステッカがはられている体育館がFC東京のホームなんて,東京さんだって昇格初年度で致し方ないだけで,本来の姿じゃない気がするだろう(わかんないけどね)。わがままで未練がましいのは承知だが,町田の体育館がああなっていることをすんなりとは受け入れられなかった。


男子の町田大会の歴史はそれほど長くない。もともと女子の練習場が町田にあったので,おそらく女子の大会が毎年開かれていたんだと思う(正確には知らない)。そんでプレミアで言うところのホームゲームというものが行われるようになって,女子大会にぶらさがって男子が共催されたのが男子の試合が町田で行われた最初だったと記憶している。その後も共催の年があったようななかったような,で,そのころ女子の本拠地が川崎に移り,それと入れ違いぐらいで男子のほうが年1回定例で町田で開催されるようになった。その前は,東京近郊の大会は東京体育館2週のみだったのか,町田じゃない代わりに相模やら小瀬やらの関東甲信越の地方大会だったのか,あんまり覚えていない。そういえば,町田と東体で同時に開催して東体にNECいないし東体がらがらだし,みたいなことがあったっけね,それも近年。


男子の練習場は府中市にあったのに,わたしが東京に来てから10年,ついぞ府中での大会は開かれなかった。男子のホームゲームが最後まで町田だったことが,Vリーグでいうところの「ホームゲーム」が,あるいはNECというカイシャの地域に対するキモチが,どこかずれている証左のようにも見える。サッカーは調布でバレー部は江戸川(?)の東京さん,来季の東京大会はどこで開かれるのだろうか。


それだけぐずぐずした気分で体育館まで行き,だるだるで試合を見始めたが,しばらく我慢して見ていると,それなりに,楽しいな,と思えてくる。序盤は「全然気分があがらねー」と低空飛行だったけど,第1試合の第2・第3セットが盛り上がったお陰で「やっぱりたのしい」と思えた。ボールが止まることなく人の手の間をぽんぽんと渡っていく様は,見ていて小気味良い。ナイスレシーブからトス→スパイクに繋がり,それをブロックしてブロックフォローしてまたトスを上げてスパイクする。コート上を人が行き交い上空をボールが飛び交うのは面白い。福澤の滞空時間の長さは異常だとか,川村さんはやっぱり素敵だとか,久しぶりに山本を見てちょっと嬉しかったとか,小川さん熱いなとか,長江好きだぜとか,興梠兄かっけぇとか,そういうのいろいろ。


しかし,一方で,もはやプレミアじゃなくてもいいとも思ってしまう。プレミアのチケット代は大学リーグよりもチャレンジリーグよりも格段に高い。バレーボール*2の試合でさえあれば何でも同じように楽しめるのなら(同じような楽しみ方しかできないのなら),敢えてチケット代の高い方を選ぶことはない。プレミアリーグの状況に興味をもてなくて今の星取り表も暫定順位も個人成績も何も知らん。近くで生で観戦できる数少ない機会だから行く以上の理由がない。試合を見てもやっぱり,付加価値の差がどこにどれぐらいあるのかわからん。


もちろん今日に限っては今日の対戦カードの影響が大きい。出場チーム自体が目下の興味から一部外れていた*3うえに,今日のカードはどう言いつくろっても試合内容にさほどの期待ができなかった。事実,小さな楽しさこそあれ,大枠では予想通りの展開で予想通りの結果になった。


対戦カードを考えると明日の第1試合がこの町田大会2daysのいちばんの見所なのだろうが,明日はおそらくぎりぎり第2試合に間に合うかどうかというところであろう。そんなに文句を言うなら観に行かなければいいのだが,明日も行く。明日の第2試合は東京さんが今季2勝目を得るために(三好さんが3勝目を得るために)はとても重要な一戦なので。


1.5部。三好さんと東京さんは,今いるリーグの6位チームより下部リーグの上位チームとの方が距離の方がよほど近く感じる。でも,彼らは下では無類の強さを誇っていたはずだ。三好&FC東京に今季のジェイテクトをぶつけてみたい。つくばを入れて4チームでリーグ戦を何試合かさせてみると,混戦になっておもしろいんじゃなかろうかという妄想。


今はなきNECの末期も1.5組に近かった(かろうじて,三好さんと東京さんよりはもう少し勝っていたけど)。「プレミアじゃ歯が立たないけど入れ替わりそうにはなかった」チームという意味では,過去5年以内では末期NEC旭化成(セッターが同じというツッコミは禁止),10年以内にしたら富士フイルム。入れ替わりラインのチームは,日立国分やNTT東海改め西日本や当時の豊田合成日新製鋼等々。そのへんのチームが合成を除いてごそっとなくなってしまったことも,6位と7位の間の間延び感を増しているんだろう。


勝てなくても,勝てそうないい試合をして盛り上がれば,見ている側は満足できる。今季の東京さんや三好さんもそこは実現できている試合もあるようだ。それでもやっぱりたまには勝たないと「どうせ最後は負けるんでしょ」という雰囲気になってしまう。お互い裏天王山でしか勝てそうにないのはつらい。むかし,1部に上がったばかりの豊田合成は,弱かったけれど今の三好やFC東京よりはもう少し勝っていた気がする。順位と勝敗数のわりに大物食いで良い試合をするから油断ならない,という印象があった。あれはあれで面白かった。その後豊田合成は力を伸ばし,一度4強に残ってからは,Aクラス入りを争えるチームになった。


強化のための資本投下ができないご時世という事情もあるだろう。希望も未来もないわけじゃない。1年や2年や3年で判断しちゃいけないと思う。サポさんたちにも選手たちにも辛いシーズンだと思うが,あきらめないで続けてほしい。


(追記)NEC(男子)の町田でのホームゲームの始まり次期について,別記事おこしています。→http://d.hatena.ne.jp/cana/20100209#p1

*1:FC東京は三好と入れ替わり,三好は休部NECのかわりだから大分が東京で東京が三好みたいな

*2:インドアで6人制で男子

*3:ようするに合成といまむーが見たかった。合成スト負けだったようだが