たのしかった,なつやすみ。


ファミリーマートカップ第31回全日本バレーボール小学生大会を見に,東京体育館に行ってきた。最終日の土曜日は,男女の準々決勝,準決勝,決勝が行われた。優勝チームはもれなくトリプルヘッダというたいへんタイトな戦い。


なんでまた小学生に食指をと言われそうですが,それは後回しで。要するにお誘いいただいたというかご案内いただいたというか。


小学校のスポーツ少年団といえば,男子ソフトボール一択,女子バレーボール一択という環境だった自分の小学生時代。あのころクラスメイトの女子のほとんどはバレーをしていたけれど,彼女たちが出ていた大会の先が東京体育館に繋がってると,はたして彼女たちは思っていたかしら。いないだろうな。


今はちょうど,全国各地で吹奏楽コンクール(県大会)が行われている時期でもあるんだけど,あれも全国大会はテレビ番組に取り上げられたりして,ちょっとは知られた存在になっている。だけど,自分が吹奏楽をやっていたころは,「なんかべらぼうに上手い学校が何校か中国大会というのに行くらしい」という他人事感しかなかった。そのさらに先があるなんて,とくに中学生時代は想像もしてなかった。3年になるまでA部門*1でさえなかったぐらいで,先々ずっと続けようというような生徒もたぶんいなかったし。


それでも,金賞目指して毎日(全国大会規模のとこから見ればそれはそれはぬるいとはいえ)練習していた。難しいフレーズがちゃんと吹けたら嬉しいし,より綺麗な音を出したいと思っていたし(これは結局かなわなかった),パート練習でユニゾンがあえば背筋が寒くなるし,合奏で和音が合えば快感だし。曲を演奏するのってとちるorとちらないだけで片付くハナシじゃなくて,いかに表現するかの世界になるわけだけど,基礎あっての上乗せなんだなあと毎度「間に合わない」感に冷や汗をかきながらも,それなりの基礎でもどうにかしようとじたばたしていた夏休み。


というようなことを,行きの電車の中で習志野ブラスバンドの話を読みながら思い出していた。


全国大会の存在さえ思い描かないようなチームも,彼らなりの上位成績を目指して研鑽を積んで試合に臨むし,全国大会からが勝負みたいな常連チームもまた,それぞれに目標がある。


大会だけを見れば,もちろん優勝が最高の到達点ではあるけれど,それ以外のチームだって自分たちなりの評価や喜びや悔しさのサイクルをひとつひとつ回しながら,人は大人になっていくのだよ,なんてことをぼんやりと思う夏。野球の全国高等学校選手権大会(で合ってたっけ)も盛り上がってますのぅ。


閑話休題


そんなわけで,都道府県大会を勝ち抜いた精鋭がさらに8チームにまで絞られていた東京体育館。既に敗退したチームもたくさん会場には来ているので,小学生(選手)とその周りの大人で体育館いっぱい。さすが全国ベスト8だけあって,出場各チームそれぞれ応援の幟や横断幕,お揃いのTシャツなど,人で充ち満ちた応援団ゾーンの気合いの入りぶりも半端ない。


平たく言えばアウェーです。自分ぐらいの年かさの人間は多くない。観客席の子らのDS所有率の高さにびっくりしつつ,3階席上段にひっそりと身を潜めて,試合を観ることに。女子準々決勝には間に合わず,ちょうどついた頃に男子準々決勝が始まった。


行きがけの車中でTL経由で小学生ルールならではの見所など教えていただいたものの,4コート同時進行で見比べるには厳しい。お誘いいただいた方のチームの試合に専念しつつ,合間でちょろちょろ他コートを見るかんじ。


6人制,リベロなし,フリーポジション,3セットマッチ。1・2セットは21点先取,第3セットは15点先取(8点でコートチェンジ)。選手交代は1セット6回まで。


21点先取のフリーポジションってところは9人制っぽいのだけれど,ブロックワンチの考え方やネットに当てても同じ人が続けて触れないところは大人6人制と同じ。


ネットが低くてボールがちょっと小さいのはもちろん,コートの寸法ももしかしてちょっと小さいのかな。リザーブのアップゾーンの位置も違っていた(ベンチ横の,通常ペナルティ席があるあたり)。


前衛・後衛の別もないし,ローテーションに伴う右だの左だのもないので,分業制が進んでいるし分業の仕方はチームによってまちまち,ということらしい。ポジションの制約がない分,ふだん見ているバレーとは別物感もありつつ,一方でとくに技術面においては原型を見るような気持ちにもなりつつ。


このへんは色々と示唆に富んでいてたいへん勉強になったのだけれども,うまくことばにできない。


小学生ルールがフリーポジションというのは知識として知ってはいて,それで分業化・役割の固定化がなされることで個々の選手のスキルが特化しがちなことについての将来への影響に関する意見も耳にはしていた。


でも,実際に見てみると,ほぼ初心者である小学生段階は,自分のプレーの土台となる長所を一つしっかりつくる時期とも言えるんかなあ,とも思った。役割が決まっているとそこへ向かう道筋がはっきりするし,達成感とか充実感とか自分のお役立ち感も実感できるし。また,見てる分には,前衛からの攻撃の枚数を増やせることはなかなか楽しい。


フリーポジション賛成派,というわけではないので,そこは誤解しないでいただきたいのですがー。反対派の旗を掲げているわけでもありませんが。


ぼんやり見ていた範囲だと,大人とそう変わらない感じで組み立ててるチームもあった。セッターが1人いて点取り屋さんが2〜3人いて,レシーバーが2人〜3人ぐらい。サーブのときはブロッカーが2枚ぐらい。


たしかに打つ人は限られてるけど,レフト(左利きならライト)からばかりの一辺倒ではなく,バックトスも上がるし,移動して切り込んでみたり,囮跳ばして時間差なり位置差なりの攻撃をしたりと,攻撃そのものはなかなか多彩。総体的に見ればスパイクの威力は小さめなのでディグがよくあがる。つなぐつなぐ。キルブロックも出るしブロックでコース狭めてディグ上げる,みたいなところも,意図してるのかたまたまなのか,見られんでもなかった。


あ,特定の単独チームについての話ではありません。ざっくり見ててつまみ食い。個別にみていくと,本当に人それぞれ。その中から,この子は打ち分けがうまいな,とか,このチームはよく拾って繋ぐな,とか,この子は上背あってボールに力乗せられてるな,とか思いながら見ていた。将来楽しみだから続けて欲しいな,なんてことも。


女子は高学年になると身長がずいぶん伸びてて,遠目には一見大人と変わらなかったりする。長くやってる子も多いだろうし競技人口も多いだろうから,決勝戦は大人顔負けだった。


それに比べて,小学生男子の子ども子どもした感じと言ったら。本人達はそりゃあ熱心にやってて,それはわかるんだけど,いっしょうけんめい遊んでるようにしか見えなくて,それがすっごくかわいかった。


数あるスポーツの中で,何の因果かバレーボールを選択している男の子は,「選んでくれてありがとう」の気持ちになってしまう。それはたまたまであっても。世の中にはあまたのスポーツがあり,それぞれに魅力がある。そんな中で,バレーボールを楽しいって思って,ずっと続けてくれますように。小学生の間だけでも悪くはないけど。


で,上野エンジェルス優勝おめでとうでご挨拶して(めっちゃ端折ったが,爽やかで愛敬あって礼儀正しいハンサムに声を掛けられて動転のあまり挙動不審だったのでくわしく振り返りたくない),てくてく神宮へ。最近湿り気味の打線がチャンスをしっかり得点に結びつけて快勝。4打点のはたけと久々のスタメンで活躍した浩康と,2失点完投の由規がお立ち台。2死からの由規セーフティバントも素敵だった。


一夜明けて本日川島亮先発という噂が。たいへん!

*1:今はどうか知らないが,A部門とB部門に別れていて,課題曲+自由曲で競うA部門が全国コンクールの登竜門でB部門は自由曲1曲のややまったりした評価付き演奏会という位置づけだった風情