学校の部活か地域のクラブか


ちょっとした覚え書き程度のネタでしかないのだが,ブコメで書くというたのを契機に書いておく。しかも半分は人から聞いた話。


元ネタ→Vリーグ、半分ぐらいまで来たけれど。:ベリーロールな日々:So-netブログ


わたし自身は運動しないし身の回りを見ても本格的に運動してきた人がいないので詳しくないしピンとこない。見ている側としても,いわゆる子どもには今のところ興味がないので,なんでもいい。


その1。知り合いの娘さんが中学生で,サッカーをしている。学校の部活ではなくて,地域のクラブチーム。週に何日か学校が終わった後クラブに直行(?)して練習。長い間続けていることもあって仲良しの友達も多いとか。


ところが,高校進学を考える段になると,本格的に続けたい子はサッカー部の強い高校への進学を希望して,高校入学後は部活動に場を移す子が多いらしい。3年生の後半にもなるとクラブチームの大会に高校の先生(スカウトというか視察というか)も来るんだって。クラブチーム自体は高校生以上でも続けられてクラブで続ける子もいるそうなんだけど,その知り合いの娘さんも高校では学校の部活と考えているみたいで,理由を聞いたところ,高校は通学が遠くなるからなんだそうだ。


高校に進学する以上どこかの高校を受験して通学するわけだが,運が良い場合は別としてたいてい高校の方が家からの距離が遠くなる。授業数も中学校より多くて終業が遅い。学校からクラブの練習場所までの移動時間を考えると,最寄高校より多少通学時間がのびたとしても部活でできる学校を選んだ方が楽ということらしい。


ここからはわたしの推測。学校の部活であれば,放課後の移動時間が短いだけでなく朝練も昼練もできる。そもそも受験からして私立の場合はスポーツ推薦だったり自己推薦だったりと中学校3年まで熱心に競技に取り組んでいたことが受験時に評価されやすい。大きな大会に出るときに授業の融通もきいたりするかもしれない(ほぼ全員必修の補習が免除されたり,逆に出られなかった授業の分を別枠で補講してくれたり)。


逆に言うと,中学3年までスポーツにばかり取り組んでいたのに,高校進学に際してスポーツをすっぱり切り離そうとしても,どういう基準でどんな学校を選んでどれぐらい受験勉強を(中3の最後半年で)して,どういう高校生活を送ればいいのか,子ども心にも見えてこないだろう。選択できる範囲の高校ではその競技を続けられないというのであれば仕方ない(割り切って最もクラブ通いしやすい高校を選ぶ)が,せっかく高校の部活でできるんなら,その方が得ではなかろうか。高校は中学校までと違って義務教育ではないし,その分さまざまな特色の高校があって選択の自由もある。学校側も少子化が進んでいる背景もあって特色を出そうと工夫しているし,進学希望の中学生はその中から進学先を選ばなくてはならない(し,合格しなくてはならない)。スポーツ(部活動)はお互いにとって強いカードとなるだろう。


それに,女子サッカーはどうか知らないけど高校の部活でメジャな競技の地方強豪校はたいてい寮がある。わたしの母校*1は公立だけど諸事情で寮があり,寮は運動部限定ではなかったが,実際野球部の生徒は多かった。学校の寮がなくても,某全日本選手みたいにバレー部の生徒がみんな監督の家に住んでいた(監督が自宅を提供していた?)という逸話もある。強いチームに入りたくても交通事情で叶わない場合,高校の部活であればそのように住居が融通されるケースも多いが,学校外での活動となると未成年の高校生には難しいのが現実だろう。


その2。わたしが小学生の頃,スポーツ少年団という(これって特定されるだろうか。まあいいや)学校外の活動があった。練習場所には小学校の施設(運動場や体育館)を利用していたが,学校の部活動ではないので指導は教師ではなく地域の大人,運営もおそらく保護者が行っていたものと思われる。任意の活動でわたしは入ってなかったので詳しい仕組みや活動内容は知らないが,小3から小6までで1小学校=1チームで(学年ごとには別れていたかもしれない),市内の各チームで大会などが行われていたようだ。1小学校=1チームなのは地理的な事情が大きく,隣の小学校の学区には子どもの足では通えないような場所だったので,子どもが自力で移動できる範囲で活動するとなると1小学校=1チームにならざるをえなかったところもあると思う。


競技は男子がソフトボールで女子がバレーボール。超田舎の超少人数小学校だったから1種目ずつだったのか,周りの小学校もそんな程度だったのかはわからない。少なくともン十年前の田舎では男の子は野球(の前のソフトボール)で女の子はバレーボールというぐらい二大メジャ競技だった。世にファミコンが登場するまでは毎日のように赤ヘル赤バットを片手に草むらで野球のまねごとをしていたし,阪神帽を持ってる子もたくさんいた気がする(ジャイアンツでもいいけど85年の優勝があるからやっぱり阪神)。児童の9割方はスポーツ少年団に入っていたので(わしは残りの1割),休み時間の女子トークはバレーボールの全日本男子の誰それ選手がカッコイイ系で,彼女たちの下敷きには雑誌の切り抜きが挟まれていたものだ(だからソウル・バルセロナあたりの代表の名前は門前の小僧状態で知っている)。


このクラブは小学生対象のみで,中学校に入るとそれぞれ中学校の部活動に入った。少年団時代に競技にはまった子はそのまま軟式野球部やバレーボール部を選んだし,別の競技を選ぶ子もいた。過疎化も進みきっている今どうなっているかもわからない。3年生から6年生まで集めたら1チームは作れるかもしれないが,野球とバレーの人気をン十年前と比べると,今はもしかしてサッカーチームができている(変わってる)かもしれないと思う。


その3。小学生でソフトボール,中学校で軟式野球部,高校では硬式野球部が「→」でつながってるのが不思議なんだが,野球の系譜ってなぜか(自分のまわりでは)そうだった。中学校のとき野球部じゃないのに野球をやってると言う子がいて(別の小学校だった),話を聞くと地元のシニアリーグで硬式野球をやっているとのこと。リトルリーグ時代からずっと硬式だと聞いて,都会はすごいなあと思った。


その1の続き。わたしの中学時代の知り合いにも二人ほど部活の強さを基準に進学先の高校を決めた子がいた。彼らにとっていわゆる教科の勉強はどこでもよくて,まず部活を優先に幾つか候補を絞り,その中で通学の利便性や学力レベルをもとに絞り込んでいた感じだった。いずれにしても地元の高校よりも通学は大変になるのだが,彼女たちの目はきらきらしていた。


その1の知り合い例は都会だからまだしも(逆に都会だからこそちょっと珍しい競技が部活にあったり,遠くても通学できる,という側面もある),地方になると学校とは別に競技を続けるのは,子どもの行動可能範囲を考えると,なかなか難しい部分もあるかな,と思いもする。強化がどうだの指導がどうだのレベルがどうだのとはまた違う観点で。

*1:全国レベルの強豪ではないが当時の県内の公立校では強い方だった