2014/15Vプレミアリーグ男子ファイナル:優勝決定戦


東京体育館

JTサンダーズ3-0サントリーサンバーズ(41-39 25-19 25-19)


観てきた。


20150406020244


今シーズンからレギュレーションがかわって,ファイナルは決勝戦1試合のみ。試合前の諸々のイベントは別用にて全スルー。


到着して席についたらすぐに試合開始。第1セットは41-39。アドバンテージが何度も入れ替わる,まさに一進一退のデュース戦となった。長くなったデュースをどちらが取るか。取ったチームが単なる得セット1にとどまらない試合の主導権を得るであろうことがびしばし伝わってきて,だからこそ,両チームなんとしてでもこのセットを取ろうという意気が感じられた。


現地で観ていたわたしは知らなかったのだけれどサントリーのセッターの阿部は,もともと(ファイナル6の後半から)脚をいためていたらしい。ふくらはぎの肉離れとか。試合開始直後から岡本が9の札を持っていたのが不思議ではあったのだが……。しかし,第1セットのサントリーはたしかデュースに入る前に交代枠の6を使い切っていた。このセットが長引いてしまったのが,もしかしたら,後々に影響したのかもしれない。結果論でしかないが。


第1セットの結果をもって,サントリー側の気持ちが切れたように感じられた第2セット以降。サントリーは早い段階でセッターを岡本にかえたのだが,これがうまくはまらなかった。第1セットのサントリーは序盤から山村・鈴木のセンターのクイック(マイナステンポと呼ばれるやつか。ダイレクトデリバリー気味のトスの上がり端をたたく)が実によく決まっていた。サイドの攻撃はエヴァンドロが中心だったが,センターのクイックをケアしなくてはならない意識からか(どうせ止まらないんだけど)JTのブロックがすかすかになっていた。第1セットを見る限りでは互角に見えたし,前日の女子決勝を観ていると2位通過したサントリーに分があるのではないかとさえも思っていた。サントリーJTのブロック(を含めたディフェンスを)破壊しにかかっていたように見受けられたしそれは成功しかけていたんだった。


しかし第2セットの状況は一変した。岡本にもセンターを使おうという意識はみられたが,低い短いネットに近いでどうにもこうにも。焦りすぎ。落ち着いてゆっくりさばけばどうにかしてくれるだろうに。阿部とは身長が違う,腕の長さが違う。ボールをさばく位置が違う(違わないかもしれないけど違う)。阿部と岡本を個人個人で比較してどちらがいいとか悪いとかではないのだけれど,入ってすぐの岡本はよろしくなかったし,アタッカー陣もセッター交替に対応できていなかったように見えた。


ビハインドで点差が開くにつれてチーム全体が焦り始める。栗山(もファイナル6の最後に足首を痛めていた)もいつもに比べてパフォーマンスが悪かった。試合後最優秀新人賞の表彰を厳しい顔で受けた鶴田も,栗山とともにJTの強サーバーに狙われていた。ネットタッチやオーバーネット,ドリブルなどのミスが,第2セット以降は増えた。


第3セット。サントリーは阿部を戻した。そうとうの強行出場だったようだ。着地できないくらいに。自分がいたのは1・3セットがJT側になるサイドだったのでサントリーの様子はわからなかったが。そしてリベロが松崎にかわっていた。嗚呼。


その立ち上がりを,ヴィソットのサーブで攻めた。JTはS5(筧本サーブ)スタート。得点1-1からのヴィソットの3連続SPで,勝負あったりと見た。ヴィソットと越川が続くサーブローテーションは驚異でしかない。彼らはサーブポイントで直接点を稼ぐ。深津のフローターサーブもかなり効果的だった。レセプションアタックの手数を狭めて,確実に2枚ブロックをつけるように。ブロックの低い小澤のところを狙うがゆえに小澤がキルブロックを決める,という場面もみられた。


サントリーエヴァンドロがサーブで応酬していたが,JTのレセプションはおおむね安定していた。攻撃面では幾分精彩を欠いていた今日の小澤だったが,ときに自分が体勢を崩しながらもボールは上げていた点で,レシーブで良い働きを見せていた。


最後も,越川のサーブで連続ブレイク。チャンピオンシップポイントは,越川のサーブポイントだった。サーブを打つ前から「ここでサービスエース取って決まるんだろう」と確信させられる場の空気を醸しだし,実際にその通りに決めてみせるのだから,次元が違う。


ほかに書きたいことはいろいろあるけれど,とりあえずそんなところ。

個人賞