2014春関東男子1部各チーム雑感(後編)


続き。

専修大学


6位から9位まで4チームが5勝6敗で並んだうち,7位の専修までが東日本インカレの8シードに入った(あと1つは東北学連/仙台大)。


今春の専修は12チームの中でも一二を争う,日替わりオーダーのチームだった。ここで初日を振り返ってみましょう。


専修1日目


まあびっくりしたよね。山本がいなかったのは故障のせいとも噂に聞いた。高橋も,かな。


序盤のメンバーは概ねこんな感じ(てきとう)で,2週目で山本・高橋あたりが復活したと記憶している。ゅぅくんの本格稼働は3週目からだったか。


専修8日目


専修9日目


猫の目だったのはサイド陣。藤中のポジション5のみ固定で,あとは,古賀,小川,川波,小森の4人から2人という感じ。


各々の選手の特徴をつかむ力はわたしにはないのだけれど,それぞれ概ね良い選手で,調子は良いときもあればイマイチのときもあれば。チーム自体も調子の良いときもあればイマイチのときもあり,日ごとの落差も読みづらい。選手交代で状況を打破するという手段を使いやすい選手層だったことも影響してか,試合中のセットスタータの変更も多かった。


どうみてもサイドがだぶついている状況をもったいないと感じてはいたが,ラスト2日でMB1をやってのけられたときには目からコンタクトレンズが飛んだ(比喩)。


専修10日目?


結局通して出ていたのは藤中お父さんとリベロっ子だけか。


猫の目オーダーではあるが,今の専修にスタメンを固定する必要があるとも思えない。いろんな選手が楽しくやれていたらそれでいいんじゃないの,相手もあることだしね。


加えて,東亜学園1年次の春高で見て以来個人的に気に掛かってはいるのだけれどもどうもスペがちな冨田(もサイド)も4週目ごろからベンチ入りしてリリーフサーバで出てくるようになったので,東日本はさらにカオスになるのか。あなおそろしや。


タレントは揃っているので,はまれば強い。ただ,選手が変わってもどうにかなっているのはチームとしての約束事がきっちりしているからではなくて,個々の能力の高さと仲の良さによっているように見えてしまう部分は否めない。闇雲に(無鉄砲に)代えただけじゃどうにもならんのよーということもしばしばであった。藤中の苦労がしのばれる。

慶應義塾大学


慶應義塾


7位慶應とのセット率差は僅か1厘2毛。5-6組の他3チームとの直接対決には全て負けており,順位も最後まで低迷していた。中堅団子グループの1つとしてフィニッシュできたのは,リーグ後半で東海大と順天堂に勝ったのが大きい。


とくに8日目の東海大戦。この日は交代出場した成尾と黒田が好調だった。そのあとこの2人をスタメンに据えて臨んだ翌週の早稲田,明治には連敗し,最終日の順天堂戦で佐藤・丸谷に戻して勝った。


リーグ通して成尾と黒田がスタメンだったのは日数はけして多くないれど,この2人の印象は強かった。春季のこの2戦の結果は結果として,それまで佐藤・丸谷でなかなか勝てていなかったのも事実なわけで,この2つのポジションとそこを巡る4選手が今年の慶應のカギを握りそうである。


今更フロントオーダーだったことに気づいているわけですが(遅いな)。フロントオーダーでエースがポジション6って珍しいかも。そうでもないかも。ひところ関東1部で流行ったフロントオーダーもマイナに戻り,今季は慶應だけだったようす。


じーっと眺めていると,意図が見えてくるような気がするようなしないような(つまり,ワカラナイ)。

法政大学


法政大


昨秋2部1位,入れ替え戦で武大を破って1部に昇格した。昨年の春に今季とよく似た状況でリーグに臨んで序盤は上位チーム相手に競った試合をしながらも勝てず,息切れして失速し結局1季で2部に落ちたことを考えれば,5勝6敗9位はまずは上々と言えるか。


しかし,最終日に勝ってこのグループに入った慶應とは逆に,法政は最終日の学芸戦に(悪い方で予想外の)ストレート負けを喫した結果としての5勝6敗。たられば言うても仕方ないが,勝っていれば上半分に入っていたので,もったいないことこの上ない。


メンバーは久保田のところが開幕は榎本だったのと,久保田・千住対角が逆のことも多かったのとをのぞくと,ほぼ安定運営。久保田はリベロ専任だと思い込んでいたので,前衛でもふつーに打っているのを見た最初はべっくらしたけれど,すぐに慣れた。


OP木村の攻撃力が突出したチーム。木村はリーグ最多得点。チーム自体が1部と2部を行ったり来たりしているという近頃の事情もあり,個人賞受賞は,すくなくとも2010以降ではチーム初。古田まで遡れば取っていた記憶がおぼろにある。


ボールが集まってくる終盤や競った場面でどれだけ木村が安定したパフォーマンスをみせられるかどうかで勝敗を左右しがちな印象は受けるが,たまにご乱心になるが基本強気のサーブと強気のセットアップが魅力の長谷川,1年生の(遡れば高校時代の)ぽやぽやした顔からぐっと大人びた村上,左利きくいっかーの田中,等々,ほかのメンバーにも心惹かれるところは大きい。


去年の全日本インカレもノーシードからいいとこまで(8? 16?)行ったし,試合の様子を見ても,もっと上位に入っていてもけして不思議ではなかった。まさに1部の真ん中へんといってしまえばそれまでだが。


ただ,如何せん,勝敗予想のしづらいチームで,強いんだか弱いんだか好調だか不調だか,日による差が大きいのか,単に自分がわかっていないだけなのか。つかみどころがなかった。


こんどの東日本インカレでは木曜日の1回戦で筑波大と対戦するという,とんでもないところに入ってしまった。春リーグではフルセットで勝っているが,全く展開の予想がつかない。

東京学芸大学


東京学芸


11位当確サインがともりかけていた10日目からの,最終日ストレート勝ちで一発逆転,10位に入り,入れ替え戦も回避した。


2012年の秋に(コクシと入れ替わりで)昇格してから4季目,順位はいつも入れ替え戦圏をうろうろしながらも,周囲の昇格/降格の荒波の中でずっと1部をキープしているのは立派。アップゾーンがとことん賑やかな,関東1部においては貴重なチームでもある。


スタメンは日替わり猫の目オーダー仕様。専修同様,サイドアタッカーがたくさんいてどうしよう状態であることがうかがえた。


東京学芸8日目学芸9日目学芸10日目


OPはリーグ通して井上が多かった。途中柳澤に交代することもしばしば。WSは白川と中村と高澤のうち2人というところ。ただ,リーグ終盤は柳澤がWSで出るようになり,カオス化まっしぐら。加えてセッターも,樫原:金成を7:3か6:4ぐらいの割合で併用。ほんとに,もう……。


個人的事情から言うと,リーグ途中のちょっとしたきっかけから大西推しになっているので,期待しているんだがの。

駒澤大学


駒澤大


OPが柴田か高子かだいたい半々,あとは,ほぼこのメンバーだった。今季レギュラーに定着した西田覚えた。関東1部の中は珍しく(現状唯一)背番号が学年順でないので,学年を覚えられないのが難。


両MBは決定率高く,大野はスパイク賞次点。スパイク賞を期待していたので,逃したのは残念だった。MBの中では上背はないほうだけれど,せせこましくないスパイクが魅力的。


しかし,1部の中では圧倒的に低身長のチーム。平均身長も調べずに書いていますが。小柄であることがすなわち勝てないことに結びつくわけではないものの,スパイク決定率は上がりづらい,よね……。周りが高いから余計に。ブロックアウトを狙ったりリバウンドを取って拾って繋いで粘るスタイルを取るわけだけれども,そこがうまくいかなくて単なるスパイクアウトになったりキルブロックになったりするしんどい展開も見られた。


国士舘との入れ替え戦に敗れたため,秋は2部である。大野(滂沱)。駒澤の応援スタイルは1部において貴重だったので,聞かれなくなるのは寂しい。選手名は耳から(歌で)入ってくる。最初にサーブを打つ佐々木など,聴く回数が多いので尚更である。


2部上位は2部上位でリーグごとの順位変動が激しい(昨春の駒澤自身がそうであったように)。まずは入れ替え戦出場を目指すところからとなる。

筑波大学


筑波大


あれよあれよと負けがこんでいった今春の筑波。昨年度の4年生の力は大きかったにしても,よもやここまで成績が下がるとは予想していなかったのが正直なところ。あまり試合をみる機会に恵まれなかったが,ちらちら見る範囲でもやはり,未勝利のまま最下位を爆走しているという事実と目の前の光景とがなかなか結びつかなかった。つまり,そんなに極端に悪いようには見えなかった。けれど,一場面一場面を切り取ってみれば悪くなくても,セットを取れるか,大事なところをおさえられるか,といったところできっと至らなかったんだろう。と推測。


開幕はセッターが吉川で,秦のところは小池だった。P2は試合中に交代などしつつ次第に秦で落ち着いた感じ。


OPは,スタメンという意味ではほぼ宮下だったと思うし,試合中にもそんなにたくさんロジャースが出ていたわけでもないんだけれども,なんとなく。試合中の交代にはなるが,9・10・11・12・13・14と1・2年生だけで番号が綺麗に並んだ図はそれはそれでロマンだった。


篠村の溌溂としていないところが個人的には好きなのだけれど,サイドの中で篠村の肩にかかる比重が高く,彼の調子が悪いときにはどうにもならない感じもうかがえた。「エースアタッカーに託す」とは別の意味で。3人の役割の持ち方も,このへんは見てないのでなんとも(小池→秦は単なる人の入れ替えではなく,もっと大きなところが変わるよね,きっと)。


9日目(4週目)の学芸戦でようやく初勝利。しかし圧倒的なセット率の悪さが響き,最下位が確定したのもその日だった(はず)。入れ替え戦では宇都宮大とのフルセットの激戦を制して,辛くも1部残留を果たした。コートにいる4年生はリベロ竹澤だけという若いチームであり,今後に期待したいところ。


昨シーズンから嫌なブロッカーぶりを発揮していた兒玉がブロック賞。


ときに,2位-11位が入れ替わり1位-12位が残留したのは自分が入れ替え戦を観るようになって以降で初めての出来事で,来季の順位の扱い(パンフに掲載順であり,対戦カードの組まれ方であり)がわからずおろおろしている。