全日本大学バスケットボール選手権大会・最終日


代々木第二体育館


2年ぶりにバスケの全日本インカレを見てきた。


バスケは8位まできっちり順位決定戦がある。最終日は朝から男子の7-8位決定戦→5-6位決定戦→3-4位決定戦→優勝決定戦の4試合。


チケットは基本的に有料で(前日までのサブ会場では一部無料もあったようす),スタンド一般・大学が2000円。中高生はちょっと安かったはず。コートサイド席(パイプ椅子の砂かぶり席)は3000円ぐらい。


こぢんまりとした代々木第二体育館ということもあって,3位決定戦第2ピリオド途中で入場したときにはかなり立ち見も出ていた。なんとかグループの間で1席だけ空いているところを見つけて潜り込む。


わたしが入場した時点で,そろそろ入場制限をかけようか,との係員の相談が漏れ聞こえていた。優勝決定戦開始直前に入場規制となったらしい。保護者とOB,前売り持っている人のみ入れる,という。再入場不可で途中退出で減る分の様子も見ながらなので運営は大変そうだ。長い1日の再入場不可には不便もあるが(なにせ代々木は,飲食が充実していない),この状態で再入場(=席を確保したままの長時間の離席)を許容していてはどうにもならないのだろう。


バスケのインカレもバレーのインカレも,どちらもカレッジスポーツで屋内競技。競技そのものの知名度・人気度,国際競争力なども,細かい違いはあれ,大きくくくれば似ていると言ってよろしかろう。


しかし,そこは別競技。選手はバレー部と机を並べているかもしれないのに,試合会場の雰囲気や運営は(似ているところもあるけれど)異なる部分が多い。勝手がわからないアウェイ感はなかなかのものがある。


自分がすっかり慣れてしまっている「バレーのインカレ」も,慣れない人には同じように感じられるのだろうな,とも思う。


客層は幅広く,若いOB若い女子,高校生以下の若い男子,ベビーカーの家族連れ。いろいろ。


チケットはピクチャーチケット。東海大のベンドラメ,拓殖大の赤石の2人の写真が使われていた。


観客によるMIP投票もある。選手投票の企画はバレーも去年大阪でやっていた(手書きの投票用紙を模造紙に貼りだしているあたりは似ている)が,バスケでは正式なMIP賞として表彰対象となり正賞副賞が出る。


協賛が三菱電機なので各個人賞の副賞も豪華だ(小型家電は現物を渡されるのがほほえましい)。


放送はBSフジ。


一方で,写真撮影については,取材・撮影は申請要,携帯電話での撮影禁止,SNS等へのアップロードも禁止。バレーがとくべつゆるい部分もあるのだろうが,うずうずするね。


パンフレットは男女一緒で,めっちゃ分厚くて(ほぼモノクロで)1500円。個人写真が掲載されている1チーム1ページのゆとりのレイアウト。そもそもインカレはオープン参加ではない。トーナメントのブロックごとに分かれて紹介されている。注目選手や展望などの記事もある。


場内アナウンスは,バレーもインカレ最終日はスタメンコールや選手交代のアナウンスはある。バスケだとそれ以外に得点者,たまにアシスト,ファウルの種類やフリースローの本数などもアナウンスがあった。


印象をむりやり一言で言えば,商業コンテンツというか,観客への意識が,バレーよりも強い印象。善し悪しではなく,単に違いとして。


閉会式の挨拶でも,大学バスケファンのみなさん,と,観客の存在に真っ先に言及される点,そのあたり意識されているのだろう。


しかしわたしはお勉強や視察に行っているわけではないので,まあ,はい。


ついバレーと比べてしまうあたり,すっかりバレー畑の人になっちゃったんだなあと感慨深いですが。

男子3位決定戦 拓殖大85-66青山学院大


2P途中から。


途中から気になったのはMIP賞を取った拓大0番岡本(PG)。攻撃に転ずるとき,コートの中央付近でドリブルをしながら自チームに指示している姿が,コートを支配しているようでかっこよかった。司令塔的な。アメフトならQB的な。小柄ながら(小柄だから?)存在感が大きい。


そうかと思えば,自陣ゴール付近で開いてボールカットして,だったか得点されたあとだったか,ボールを手にするや否や間隙を縫ってあっという間にコートを縦断しゴールまで持っていったあの速さ。


前半は拓大ペースだったものの,青学が3Pから猛烈に巻き返し,最少9点差まで追い上げた。4P序盤までは青学の流れになっていたのだけれど,そこから拓大が突き放した。


数々の個人賞を受賞したバンバはたいそうすごい。赤石も,高身長で動きも機敏でかっこよかった。わーい。

勝戦 筑波大64-59東海大


前半は筑波が圧倒していた。20点差ぐらいまで行ったかなあ。もっとかな。東海大は攻撃は仕掛けるんだけどとにかくわっかの中に入らない。ゴール下(インサイド)に入れてもらえなくて距離があるところからの無理したシュートになりがちで,それも入らない。


一方の筑波は内に外に,位置も緩急も多彩な攻撃で自在にゴールを揺らし得点を重ねていった。6番馬場2番満田あたりがさらっとゴール下に切り込んできてふわっとさらっとボールを置いていく。リバウンドもオフェンス・ディフェンス共に筑波が取っていた気がする(このあたりは印象と実態とが違うことが往々にしてあるが,調べればスコアでわかるので恥ずかしいものである)。キャプテン16番小松の途中出場からの短時間に2度続けてのスリーポイントシュートは芸術的だった。


一方的な試合になるかに見えたが,後半になると東海大のディフェンスが機能して筑波の得点を阻止(シュートが入らなくなったんだけど,それは東海大が難しい体勢にもっていってた感じ)。序盤さっぱり入らなかった1番小島のスリーポイントシュートも入るようになる。


第4ピリオド,東海大は猛チャージをかけた。じわじわと追い上げていく東海大,減っていく時計。残り2分30秒で3点差まで追い詰めた。スリーポイント1本決まれば同点。筑波タイムアウト


タイムアウトあけの東海の攻撃で,ほぼフリーで打ったスリーポイントシュートが入らなかったとき,あ,って思った。


それでも東海めんずは諦めなかった。最後は時間との闘い。床にこぼれたボールを両チーム飛びついて這いつくばって自分のボールにしようとする。ファウルも多くて,そのあとの筑波のフリースロー3回ぐらいあったんだけど。


最後は東海大がファウルで自滅したようにも見えなくもないのだけれども(作戦なのかその辺はわからんのだが)タイムアップと同時に筑波大の優勝を祝福する金色の紙吹雪が舞った。やはり華やかである。1ピリオド10分×4の40分,実際には1時間50分を要する長い,タフな試合となった。


筑波大はインカレ二連覇。男女アベック優勝とのことだ。「ちょっと覗いてみました」のわたしにはどうしたって表現できないのだが,とにかくかっこよかった。


スピード,フィジカルコンタクト。高さ,低さ。たくましさと俊敏さ。パス回しの速さ,顔向いてないのにパス出して受け取れるって(当たり前なんだろうけど)見てるほうがだまされる。背中でガードしてボールをキープする。あちこちでおこる陣地取り,ボールを通す道を作る人たち。。いつのまにかマークが外れているところにパスが通りフリーで放ったシュートが決ったときの爽快感。ネット下からのダンク(であってる?)も遠くからのスリーポイントも,ゴール下のリバウンド取りも全部かっこいい。