第65回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会5/5(木・祝)大会6日目・決勝戦


女子決勝はJTマーヴェラスが2セットダウンから3セット連取の大逆転でNECレッドロケッツを下し,2連覇達成。


チャレンジに落ちることが決まった去年,上がることが決まった今年。それぞれに趣深い連覇。喜びを弾けさせる選手を見て,なぜか自分の目頭が熱くなった。


そして,会場で直接聞いたのは久しぶりだったNEC赤ロケの応援。7年経っても,その前からも,全くかわらないスタイルは感動的でさえある。あれから7年経って普段は何の痛みもなく過ごしていても,あの音楽を聞くのはちと辛かったです。

JTサンダーズ3-0ジェイテクトSTINGS(25-19 25-23 25-18)


JT)3深津 11安井 2町野 18ヴィソット 7越川 4中島 L15唐川


JTEKT)16久保山 7高橋和 2金丸 4古田 1カジスキ 21廣瀬 L17本間


前日豊田合成を叩きのめしたジェイテクトからは,この結果は予想できなかった。けして悪かったわけではないものの,前日のようなスペシャルに凄い状態ではなかった感じはあった,かな。


サイドアウトは取れていても,ブレイクチャンスでブレイクできない。前日は取れていた「ラリーの最後のトランジションアタック」が通らないだとか,ジェイテクト側には不運な(JTには幸運な)得点だとか。マテイのスパイクミスが多かったのも気になった。


ジェイテクトのブロックは(組織的なそれがどうでみたいなのは全然わからないのだけれど)けっこうかたい。廣瀬のキルブロックの本数がやはり多そう。加えてフロアで粘りのディフェンスをする。それが持ち味のチームに対し,JTはこの試合,かなりバックアタックを多用していた。ほぼヴィソット,それから越川,たまに安井も。


セット序盤ではジェイテクトがリードするのに,後半でJTが追いついて逆転し,最後は持っていくといった1・2セット目の得点経過を見ても,JTの試合巧者あるいは勝負慣れといった感じがうかがえた。


同グループだったので,グループ戦3日目にも対戦していたが,そのときもものすごくさくっとJTが勝っていたので,相性の良し悪しがあるのだろうか。


サーブの殴り合いは見応えのあるものだった。和人と越川の84対決が熱い。


殴り合いに勝ったのがJT。第3セット15-15で越川のサーブになり4連続ブレイク。とくに,高橋和人とカジスキを順番に狙い撃ちした2連続SPには背筋が寒くなった。


また,深津サーブのローテーションのブレイク率が高かった。同じく第3セット21-17から深津のサーブ。ここで,ライト側の古田しか打てない(しかも思い切った助走を取りづらい)位置にサーブを入れて,2本連続ブロックで仕留めた。


23-17となって,ジェイテクトは2本連続で止められた古田にかえて若山。意図が若干見えづらい。(思い出出場にしても起死回生を狙うにしても,あと少し早くても良かったのではとか)。サイドアウトを取って23-18で若山のサーブ,は,ネットだったかな。エンドライン割ったかな。


24-18となり,カジスキ→角田。


そしてJT安井のサーブ,おそらくあえて狙ったと思われる角田の手を弾いて,安井本人もぽかん,とする幕切れとなった。


男女アベック優勝である。


優勝のインタビューで,監督は例によって相手チームをたたえ,越川は,女子が先に優勝していたことでのプレッシャーをアナウンサーに振られて軽妙な返しをしつつも,ふと改まって,熊本地震義援金募金活動についての礼を述べた。


表彰式・閉会式後の記念撮影では,男女まじって写真を撮る姿が見られ,ほわほわした気持ちで大阪市中央体育館をあとにした。


公式に掲載されているサンダーズの集合写真の端っこ,優勝旗にNECブルーロケッツの文字が見える。歴史ある大会の優勝旗には,こうして,今はない幾つものチームが存在していた証が刻まれている。

個人賞