唐突に着物の話


11日のミュシャ展行きは例の紬風ウール着物を着ていた。何が原因だったのか膝から下がえらいいきおいで帯電し,着物が脚にまとわりついて大変だったのだがそれはそれ。


展覧会に行くとたいてい一組や二組ぐらいは着物の客を見かける。今回は客の多さを考えると率は高くなかったがそれなりにいた。今更美術展で着物客には驚かない。


驚いたのはその翌日。東京体育館の中で着物姿の若い女性を見たとき「先を越された」と歯がみしたものだ。


以前から「いつか着物でバレーボール観戦してやる」という野望を持っていて,しかしそれはかなり勇気が要るというか恥ずかしいというか,とにかく数千人の観客の中でたった一人であろうことは想像に難くない。休日の新宿に向かう京王線の車内などとは比べ物にならないレア加減であり目立ちっぷりに違いない(新宿駅では京王線・JR問わずそれなりに見かける)。


一人なのは構わないのだが(細かく見れば観客全員皆それぞれ異なる格好をしている)そもそも室内とはいえ敵はスポーツなのに着物は場違いではなかろうかとか,自分自身「大人しく観戦」しているとは言い難い(例;前の座席の椅子を蹴り上げる)し大人しくする自信もないので,目立つ且つおとなしやかがあらまほしい着物姿は自分が恥をかくだけでなく周囲にも迷惑ではないだろうかとか。


そんなことをぐちぐち考えて悩んでいる隙にどこぞのお嬢さんに先を越されましたよ。悔しい。


プレタっつぅか,現代物っぽい,地味め小豆色の細いストライプの着物だった。洋服姿の女性のご友人と二人連れだった模様。ごくごく自然な立ち居振る舞いも含め,かわいいお嬢さんだった。


あたしも次こそ,と思いつつも次回は大阪なのでさすがに無理。その次はさいたま……。うぅむ。ビミョーに遠い。贔屓している某青い人達が決勝戦に出られるかどうかで決めようかな(危険すぎる賭だ)。