7周年(あるいは16周年)


この日記は自分用の備忘録なので,自分が忘れないであろうことは書かなくてもよい。


でも,日付は忘れなくても,そのときの様子は覚えていられるものではないから,今年も書きます。


という書き出しだけ決めて過去7回分の日記を辿ってみた。毎年同じ日に何かしら書いているだろうと思い込んでいたけれど,全然そんなことはなかった。最初の数年はちまちま書いていたけれどどんどん薄くなっていき,去年に至っては前後での言及さえもしていない。ついろぐも見てみたけれど,Twitterでも書いていなかった。去年は初めて曜日も同じになったから,内輪では盛り上がったはずなんだけど。


結婚記念日です。今日から,結婚8年目に入ります。


そして,交際17年目。


実感湧かない。ほんとに湧かない。16年。でも,振り返ってみれば,いるのが当たり前と思えるぐらいに長い歳月が経った感覚も,たしかにある。


丸9年の交際期間を経て,婚姻届を提出したのが2006年の1月23日。


18:44「めっさ寒いですね」 - 1000万人都市の片隅から


ひたすらネタにあふれた結婚だった。インフルエンザウィルスを盛大にばらまきながらタクシーで役場に乗り付け,本籍地の地番が土地台帳にないと言われてその場で(適当に)決め*1,その後郵便局にもウィルスをまき散らした。1週間会社を休んだ。挙げ句戸籍記載の入籍日は数日あとになってるわ,夫の住民票の姓の漢字が間違ってるわ。


前後の日記も読んでみると,このころはバラエティに富んだ日々を送っていたなあと。書いている内容も。結婚イベントが続いたのですることも多かったし,結婚することに付随して思うこともあった。


うろ覚えなので確かでないが,結婚の話が具体的に進み始めたのが2005年の春ごろだったと思う。結婚準備の傍ら5月のゴールデンウィークに友人と新疆に行き,夏頃に式場等の手配をし,親同士で顔を合わせてみたりして,12月に身内だけで結婚式をした。それまでそれぞれの実家に泊まったことも何度もあったけれど,一緒に年を越したのは2005/06年が最初。


年が明けて1月には勢いだけでハンドボールを観に行った*2世田谷パブリックシアターにお芝居を観に行ったのもこのころらしい。Vリーグシーズンまっただ中でブルロケのことも始終気にかけつつ,3月に友人知人向けにお披露目らしきことをして一連のイベント一段落。新婚旅行は9月。


神宮界隈に足繁く通っていたころでもある。


この頃に比べると,このところ少し,行動範囲が狭いかもしれん。歳を取ると,ただでさえ保守的な性格がますます強固になっていく。先日も卓球の全日本選手権代々木第一体育館でやっていると知って心が動いたものの,勝手の分からないところにいきなり乗り込むのが怖くなって,結局通い慣れた空間の方に足を向けてしまった。


新しいこと,楽しいこと,それから,勉強しなきゃいけないこと。そういうものから逃げないように,楽しく向き合えるように,していたい。


なんだか,結婚と関係ない話ばかりになってきた。


結婚したことによって気持ちの上で大きく変わった部分はあるのだけれど,ふだんの生活自体は結婚前と変わらない。少なくともわたしの方は。かなさんは結婚当時はK野寮に住んでいて,名実共に大学院生で,週の半分ぐらい某研究所で働いていた。そうやって考えると,やっぱり時間は経っている。


昨日電話で話をしたときに,7年という歳月を「すぐに子どもができていれば,今頃小学校に行っている」と言い表された。そりゃまあそうだけどそうじゃない。同居して子育てしている夫婦に比べれば,なんとのんびりとした時間の経ち方だったろうか。


振り返って思い出せる大きな出来事が一つもないぐらい,変わらず穏やかに過ごせている。それは何よりの幸福の証左であろう。


いつまで今の気ままな別居生活が続くかはわからない。少なくとも,この先ずっと今の状態を続けるつもりでいるわけではない。そう言い続けて7年経っての今日ではあるけれど,これは本当に。


かなさんも今の職場に勤めてそろそろ5年半。将来的には次のステップを考えていないこともないようだ。そこで「引っ越しメンドクサイ」と平気で言うような妻がわたしであるが,いずれはせねばなるまい。お互い単身用賃貸物件の住人ゆえ。住む土地に拘わらず。


当事者2人がお互いの結婚の意思を確認しあってから実際に結婚するまでに2年半かけたぐらいだから,かなさんの「いずれ」が具体的な行動になるのが何年先なのかはわからんが,わたしはそれを(首は洗わないけれど)待つしかない。


いずれ来るべき同居生活に不安はありますよ。そりゃあね。わたしは何につけても,変化することがすごく苦手だから。16年も一緒にいても一緒に住んだことは一度もないし,生活習慣とか好みとか性格とか,知らないことの方が多い。うまくやっていけるか不安ですよ。


でもまあ,結婚しちゃった以上は,そこは。いつかは腹をくくるしかないんだろう。


こういう風に書いていると誤解されそうですが。けして同居を避けているわけじゃないし,近くにいたい(一緒に住みたい)と思っていないわけでもないよ。むしろ逆だよ。一緒に住みたいと思っているけれど,状況がそうはならんのでやむなく別居しているだけです。やむなくだけれど嫌々ではないというだけのこと。


強いて言えば,お互い同居することのプライオリティが高くない。同居することを第一目的とすれば幾らでも方法はあったけれど,我々はそれを選択してこなかった。夫はわたしが今の仕事・職場を辞めることには賛成しないし,わたし自身も望まなかった。逆に,一緒に住むために彼の人生や仕事を制限するつもりは一切なかった。今もない。今の職場(公募ですよ)に応募するのも止める気もなかったし,それより前にこちらの公募に出したことがないわけでもないし。相手の人生に責任を負いたくない気持ちが根底にあるのは認めざるを得ないが,素人考えでも贅沢言える職種じゃないのは察せられるもの。仕事あるだけで御の字だもの。まじで。そして,世に出て働けとはみじんも思わなかったなあ。うん。


それぞれ,いろんな人に恵まれお世話になりながら,日々を送っている。夫婦と言うには相変わらずおままごとめいた2人ですが。


これからもよろしくお願いいたします。

*1:そして,覚えていない。

*2:帰りに当時浦和に住んでいたかなさんの両親を訪ねて,婚姻届の証人欄にサインをもらった。