サーブの話。 - 1000万人都市の片隅から

サーブは唯一，プレイヤーが単独で行うプレーだ。たぶん。

主審の笛から８秒以内に，自分のタイミングで行える。サービスの時は他の選手もコート上でいられる場所に制限があるので，派手な動きは見せない。自然，場内の視線がサーバーに集まる。

サーブは最初の攻撃なので，得点に繋がる良い（効果的な）サーブというものは当然ある。しかしここではその話しはしない。

かっこいいかどうか。より正確に言えば，わたしがかっこいいと思っているかどうか。主に写真に於いて。

昨夜，サーブの写真集，それもサーバの背中側から撮ったものが欲しいとついったで呟いたところ，カメラクラスタの皆さんが次々と秘蔵写真をアップしてくださった。にわかにサーブ談義も起きた。

めちゃめちゃ楽しかったです。みんな，すげーかっこよかったです。一人で祭りでした。改めて，ありがとうございました。

さて，サーブ。種類ごとにもフォームは違うが，断然ジャンプしてのスパイクサーブがかっこいい。

ジャンプサーブの動作を分割すると，だいたいこんな感じかしら。技術の話ではないので細かい点はご容赦願いたい。

写真は一連の動作の瞬間を切り取り固定する。「サーブの写真」と一口に言っても，切り取る場面はさまざまだった。それぞれに，味わいがある。

テイクバックを捉えた写真が異常に好きだ。改めて気づいた。サーブの動作の中でそれはほんの一瞬のことで，空中のその場面を制止して見ることはできない。カッコイイ，と感じる間もなく，サービスは完了している。

カメラがそれを固定する。

まず高く跳ぶこと。

それから，反った背中。背番号やシャツネームが見えないくらいがいい。

曲がった両膝。パンツの裾に届かんばかりの足。膝が曲がっていることで，より高く見える。

まっすぐに伸び上がる左腕。ジャンプ上昇中で腕は斜め上を向いているぐらいが理想。

いっぱいに引かれた右肘。左腕から右肘まで一直線だと美しい。柔らかに曲がる手首とかえる手のひら。

スパイクスイングの体の使い方にも，ボウ＆アロウとかサーキュラーとか種類があるんだろうけど。そのどれなのかはわかんないけど，上に書いたようなフォームが，ほんとうに好き。

そもそも。この記事のトップの写真を見て，Twitterにポストしたんでした。

好みの話だからね。それも，一番好きを挙げるならの話。いろんなフォームがあって，いろんな瞬間がある。ほかにもかっこいいと思うところはいくつもある。

たとえば。

構えたときの緊張と静寂に満ちた鋭い表情もかっこいい。９ｍ×９ｍの枠内ではいつも賑やかな超音波の人こと高松が，黙って気が張り詰めてるところ。

個人名が出てこないけれど，助走しているときのテイクバックの両腕（ちょっとぺんぎんみたいな）や，踏み切り直前の踏み込んだ脚と沈み込んだ下半身もかっこいい。

サーブ前のルーチンの動作は写真になりにくいものも多いけれど，個性が出て面白い。古い記憶で，必ず天井を仰いで前髪をふっと吹き上げる，NKKからNECに移籍したばかりの竹内，というのがある。

エンドライン上でいったん後ろ向きに気をつけして歩幅でサーブ位置をはかる選手は多い。たとえば堺の内藤とか。彼は試合のタイムアウト中やセット間に他の選手がちょこちょこランニングをしているときにもシャドウサーブしてるぐらいのサーブ職人で，その職人ぶりが大好きだ。

今は見る機会もないかな。NECに入ったばかりのころの三上（現東京）のサービスルーティンは，独特の助走の取り方と，横にぶんぶんと振ってから投げ上げるトスアップと，もふもふした頭とか全部セットで，すごくとっとこしていてかわいかった。

それから，インパクトのあと。滞空時間の長い選手の，スピード感に溢れた空中でのフォロースルー。

エンド側からなら，引きで撮った写真もかっこいい。手前のサーバにピントが合い，前衛の選手が後ろを窺い，ネット越しの向こう側には構えるレシーバと走り出すセッター。昨夜の祭りで拝見したかみぃ（@spd_v）氏の撮った越川の写真は，唸るほどに越川だった。

どうだ星谷健太郎。

かっこいいよ。少なくともわたしはかっこいいと思ってる。わたしが思ってるだけじゃパイは大きくならないけど。

以下はへびの足のぽえむ。

昨日，ついったの俺得サーブ写真祭りにはぁはぁしていたとき，さらにメールでもいくつかの写真をいただいた。わたしがファンなのをご存じゆえのご厚意により。

なんつーかね。わたしがおざーさんを好きな理由を説明することになったときその写真１枚あればもう充分なぐらいの，そんな完璧な瞬間だった。小澤さんを好きなのはそこだけじゃないけど。でもやっぱりコアはそこだなあと思った。

今週末は墨田区立体育館で生小澤さん……ぱたり（悶絶）。