今年気になったチーム


2012

仙台大


東日本インカレベスト8,全日本インカレベスト16。


チームの作り方としては去年書いた東海札幌と少し似たところがあって,主力の4年生たちが去年(よりも前?)から中心になっていて,今年がその集大成とうかがった。弘前工出身の選手が多く,皆昔から一緒にやっていたのだとか。セッターの山口を中心にあうんの呼吸が楽しいチームだった。


東日本インカレのベスト8を受けて,国体も全日本インカレもと期待は膨らんでいたのだが,国体は初戦でやたら豪華な愛媛選抜にやられた。会場の国分寺スポーツセンターに入場制限がかかっていて,壁一枚隔てた向こう側で試合をしているのを知りながらもそれを見ることができず,がるがるしていた。


全日本インカレでは,ベスト8をかけた4回戦で法政相手に2セット先取しながら逆転負けを喫したのが悔しい。第4セットの終わり頃からしか見られなかったしね。天皇杯ファイナルラウンドも初戦で敗れてしまい,その集大成を腰を据えて見届けられなかったのは残念だったが,(西日本とは交通事情諸々異なるところでの)関東1部以外の東日本という点に於いても来年以降も一方的に期待しているところではある。

龍谷


手原さん手原さん言うてますが,彼だけじゃなく。

大塚高校


年が明けるとすぐに春高の全国大会が始まる。去年と今年の高校シーンは,詳しくないからこそ余計に,星城高校を中心に語られているように見える。ここ1〜2年の高校のタイトルは総ざらえしているし,黒鷲旗天皇杯でもVプレミアチーム相手にいい試合をしていた。中でも1番をつけている石川は,黒鷲や天皇杯でVプレミアのチームと対戦した試合をちろっと見た限り,そういう試合でサーブポイントを取っちゃうメンタル含めて,顔と身長だけで評判になっているわけではない,頭一つ抜きん出た選手という印象も受けた。その石川が関東1部の大学に進学が決まっていることを,日本の未来的な意味で喜んでいいのかどうなのかはちょっとよくわからんのだけれど(見られるのは嬉しい)。


話がおもいっきりそれた。なので,星城は気にならないわけじゃないんだけど気になって当たり前みたいな感覚が強い。それとは少し違って,目から鱗が落ちて楽しいなと思ったのが大塚高校だった。


春高の準決勝も見たのだけれど,それよりも黒鷲旗での印象の方が強い。今年から黒鷲旗は高校が2枠になりその分大学が1枠減らされた。昨年インカレ4位だった専修大を(春リーグで躍進していたさなかの)GWの府立体育館で見られるものと楽しみにしていたのに蓋を開けてみたら大学枠はインカレ3位までだった。かわりに入っていたのが春高2位*1大塚高校。そりゃ地元だし,大学より高校の方が人気だし,と自分に言い聞かせながらも,大会前はきっぱり不満だった。


だけど,見てみたら楽しかったんだよね。黒鷲で見た中で一番楽しいチームで一番楽しい試合だった。こんな楽しい試合が見られたのだから大塚が出て良かったと思った。正直スマンカッタ。今だって,来年の黒鷲に明治が出られないだろうことは不満なわけだが,まあ,新チームであって必ずしもインカレ4位のチームがそのまま出るわけではないし……それは高校も同じなんだけど。


そんなわけで,楽しかった印象が強いけれどちょっぴり複雑な気持ちもある大塚高校。こんどの春高がどういうトーナメント表になっているのか知らないんだけど,決勝戦での再々戦を期待する気持ちがないとは言わない。しかし,そうならなかったとしても,それはそれで,そういうものだとも思うので,(わたしが)あまり意識せずに,ひとつひとつの試合を楽しく戦って,機会があればそれを見られるといいなあと思っている。

早稲田大


今季とくに夏以降のわたしはかなり紫(紫紺)成分が高かったけれど,関東1部の大学シーンを俯瞰して舌を巻いていたのが早稲田だった。


春1部3位,東日本インカレ3位,秋1部優勝,全日本インカレ優勝。


全日本インカレは,4回戦の対筑波戦がフルセット,それも,第5セットの最後はなんというか,すさまじい展開で,薄氷という言い方も違う,紙一重の勝利だった。どちらが勝ってもおかしくなかった。そこをくぐり抜けて,さらに強くなったのか,準決勝と決勝はどちらも貫禄の圧勝といった試合運びだった。


今の関東1部は大きな実力差はないかもしれないが,総合力ではおそらくいちばん強かった。秋リーグのセット率での優勝にしても全日本インカレの4回戦にしても,数字上はわずかな差だったり紙一重の試合があったとしても,それでもこの結果には納得したし,いいかたちで1年が終わったと感じた。1年間安定して上位に入っていたことも,その一つの証左だと思っている。


早稲田の強いな,すごいな,は今年あちこちで書いた。ちょっとだけ心残りだったのは,黒鷲にしても天皇杯にしても,「大学」カテゴリの外での大会のときに疲労がピークで,彼らのすごさを出し切れなかったことだ。すごいよ,たのしいよ,って自慢したかった。


吉村,本間,七里が抜ける来年の早稲田がどういうチームになるのか,今はまだわからないけれど,3年生以下の選手もみな素敵だし,控えにもいい選手がいると聞く。素敵な新入生も入るらしい。今のクォリティにさらに磨きをかけて,より強くて楽しいチームを見られることを願っている。

*1:春高なのかインハイなのか,条件はよくわかっていない。