祭りの後で(或いはゅぅくんのこと)


東日本インカレ最終日のエントリをいまごろ書いた。なかなか書く気にならなかったのは,個人賞(というか,そのあとの会長挨拶)に血管ぶちきれて,当たり散らしていたから。いつだったかのエントリに書いたように,身内の入院で神経が参っていたというのもあるんだが。


振り返ってみて,あんなに大騒ぎすることもなかったと反省している。あそこで大騒ぎした自分のダブスタ感性が気持ち悪い。


MVP発表のとき,ゆうくんは一歩前に出かけていた,らしい。本人だけでなく,会場にいた多くの人は「やまもとゆう」とコールされることを疑っていなかっただろう。


選ばれたのは藤中で,「え?」と耳を疑った。キャプテンはゆうくんなのに。試合にもずっと出ていたのに,って。敢えて外すのはよほどのことだと思ったから。


原則優勝チームキャプテン,そうでなければ最上級生がMVPという慣習を不愉快に思っていたのは自分だろうにな。


12春にバックアッパーの4年生キャプテンだった矢野が敢闘賞だったときに強くそう感じたから,12秋の敢闘賞が3年の久原でほっとした。12全カレで3年の出耒田がMVPだったのにも,戸惑いはなかった。


だからって矢野が足りないわけじゃない。大会MVPとチームキャプテンの考え方問題で。チームキャプテンとコート上の主力の不一致は珍しくない。いろんなタイプの主将があり,チームによってさまざまだけども,主将のおしごとと主力のおしごととは完全一致しない。そして,学生の大会だから優勝チームのMVPはコート上の活躍だけによらずチームをまとめた主将に与えられるという考え方も大いにアリだ。


ただ,わたしはあの界隈を「学生の課外活動」ではなく,ひとつのエンタテイメントとして見ているから,(スタッフや控えを軽んじるという意味ではなくて),一般の大会は当たり前であろう「プレーで貢献した選手」に与えられるべきという考えが根を張っている。


14春のMVP江頭&敢闘賞加口も,ほかにないと考えながらも,うーん,と思ったものだった。*1


そりゃ,藤中なんだよ。プレーの要で決勝戦はレシーブもスパイクも中心になっていたし,わちゃわちゃした専修っ子の中で安定している雰囲気はさしづめおとうさんだし,きっと次の主将をつとめるだろう。ゅぅくんは,もしMVPになったとしたらその理由は「キャプテンだから」「コート上唯一の4年生だから」というだけ,という評価でも仕方ないかもしれない。わたしがゅぅくんをめちゃ贔屓しているから評価が曇るだけで。ゅぅくんのプレーが悪かったとは1ミリも思っていないけれど,学年やらキャプテンやらをとっぱらってフラットにMVPを選ぶとしたら,セッターではないかもしれない。セッターだろって声を大にして言いたいけれども。


でも,謎の慣習をもう一歩進んで破るなら,ここ(=専修)が適してはいるんだろうな。専修がフリーダムな感じだからこそ許される。


つまり,藤中がMVPであることに異存はないけれど,山本がMVPでないことに依存があったわけだ。わたしはね。


てんぷれみたいな書き方になってしまうけれど,ゅぅくんには,秋のリーグで冬の全カレで,屈辱をはらしてほしいなあと。でもそれはわたしが勝手に思っていることだから,本人がそんなこと気にしないならそれでもいい。


勝戦を一緒に観てくれた人はあまり彼のことが好きじゃないみたいで,後日話をした別の人もあまり彼のことが好きじゃないみたいで。


この代の1部の新人賞だし*2,セッター賞を取ったこともある(13春)んだけれど,一筋縄ではいかない選手ですわ。


セットアップは奇を衒っていて面白いし,のったときはすごく楽しそう。だからわたしは好きなんだけど,確かに,セッターというポジションやキャプテンマークをつけていることを考えると,周りへ献身を見えやすい形で表に出せるともっといいんだろうな,とは思うんだ。個人的な好みとは別の話として。


トリッキーだったり打つのが大好きだったりするセッターはほかにもいくらかあるけれど,ともすればひとり(だけ)でバレーやってるように見えがちなリスクがあるから,難しいよね。


春高の決勝戦で目を奪われてから4年経ち,大学最後のリーグの開幕まであと1か月を切った。今年の全カレ@大阪には行かないだろうから,大学生の彼のプレーを見られるのもあと僅かだ。この先,のことはひとまず,置いておく。危惧が杞憂になればいい。


最後の会長挨拶で,市川会長は,あえて専修からは個人賞を選ばなかった,それは,きみたちにはもっとポテンシャルがあって,まだそれを発揮しきれていないからであって,もっとがんばればもっとできる,というふうに述べた。


腹立ちましたよ。がんばってないなんて誰が言える。あなたは何を見ていて何を根拠にそう言うの。専修はたしかに軽そうだしちゃらそうにも見えるよ。歯を食いしばって額に汗して,っていう雰囲気は感じないよ。でも,それってまず見えるか見えないかの話でしょ。


それに,もしかしたら,強さはちゃらさのおかげかもしれないじゃないか。歯を食いしばって額に汗して遊ばずに追い込む方がいい結果が出るって誰が決めた。いや,たしかに出そうに思えちゃうんだけど(現状大きすぎる調子の波が安定して常に上位に入れるかも,とか),それもまわりが勝手にそう思い込んでいるだけかもしれないじゃん。


優勝に水を差されたのが,いやだった。


彼らがあの生田の山を下りて,それぞれの次のステージに進むとき,そこで厳しさに巻かれてのされてしまうのか,明るく楽しい雰囲気を伝道するのか。


そうは言っても,みな,高校時代からのエリートの集まりで。だから「足りない」って言われるのかな。難しいな。


悔しいから,専修には強くあってほしい。天皇杯には都予選から出場して優勝し,都代表の座を得た。秋のリーグ,リーグ後の関東ブロックラウンド。あわよくばそのあとの天皇杯ファイナルラウンドまで。少しでも長く,今年の専修を。

*1:どちらのチームも突出した選手がいなかったと思うから「うーん」だけど仕方ない。中大は豪華スパイカー陣をあやつったセッターの関田でもよかったと思うけれどあえて4年の江頭を外すほどでもなかっただろうし,東海大に至ってはもっと誰とも言えないチームだった。これがキャプテンの手塚&秋庭ならもっともやもやしただろうが,ふたりともほぼ全試合に出ていた。つまり,年功序列ではあったけれど,困ったときの年功序列,という感じ。

*2:やなぎじゃないんだよね。ちなみに,チームは慶應が東カレベスト4からの秋6位,専修は秋11位。