「四つの仮名問題」が話題になっていたので

昨日今日と少しその話が出た。綴り方は表記の問題であって言語そのものではないのであまり扱わないものらしい(文字や表記方法を持たない言語は数多存在する)。それはそれとして,「象が鼻は長い」は,変だよね。


形容動詞の連体形と名詞+助動詞「だ」の連体形を見分けるのが難しいという話もしていた。小学生は(中学入試に必要なので)それを判断しなければならず大変だとのこと。つまり「元気だ」は形容動詞だけれど「病気だ」は名詞+助動詞なんだそうだ。その見分け方としてかなまるは「『元気な人』とは言うけど『病気な人』とは言わないでしょ」と。


今この文章を書いていて,ATOKは「病気な人」を変換してくれなかった。そりゃそうだ。でも,今の日常会話では「病気な人」という使い方は普通に行われていると思う。(だから小学生にとっては難しかろうという話になる)。助動詞「だ」の活用には「な」ってのはなかったんかな(ないんだろうな)。助動詞「だ」の活用って「だろ,だっ,で,に,な,なら」じゃなかったっけ? あ,これが形容動詞の活用か。


土曜日に飲んでいて,おおにしくんが,なんかの英単語の形容詞形(副詞とか形容動詞だったかも)に日本語の「な」を付けた形の単語について,「これってありなん?」って言ってたけど,日本語の文法に則って使われる以上それは既に英語ではなく日本語だと思うので,どんな形でもありなんではないでしょうか,というのがわたくしの個人的な見解。概ね,尤も馴染んでいる活用形に「な」をつけて使っているような気がする。「アバウトな」「ステディーな」「サイケデリックな」「フィロソフィカルな(は?)」。この「な」は……助詞だっけ? 「個人的な見解」の「な」と同じですよね。体言を修飾する。


助動詞「だ」は意味する範囲の広い難しい助動詞だ。学校で習った文法ではその意味するところが4つに大別されていた遠い記憶。「断定」と「完了」しか思い出せないが。


わたしもかなまるも出身地の方言が「進行形」と「完了形」を区別するので,「進行形と完了形を区別しなくなったことは日本語の退化である」と言い切って憚らない。大学に入ったときにらっきょまん氏が自己紹介で広島の方言について進行形と完了形を区別する,と紹介していたが,岡山方言にも大分方言にもあるらしい。岡山(備前)の言い方だと「来る」という動詞について「きょーる(進行)」「きとる(完了)」「きた(過去)」。


一時方言には興味があって3回生の時に生意気にも言語学専修の特殊講義を履修していたので,レポートのついでに全国方言地図みたいのを図書館で見る機会があった。一般に,用言の活用については今の標準語は東京の周辺部(北関東や静岡)の方言が全国に広がった傾向があると言われている。上方や江戸の方言ではないところが不思議ではあり,それが何故なのかは不勉強にして知らず。


ところで,その言語学の特殊講義はちゃんと単位がもらえた。年度末のレポートのお題が「方言に関するレポート」だったので,自分のWebをプリントアウトして前書き(言い訳)を付けて提出した。手抜きもいいとこ。でも(可ではなく)良だったんじゃなかったかな。神戸外大の先生だったのでどきどきしていたんだけど,それなりに出席もしていたのでおまけしてくれたのかしらん(なんせ出席者はつねに10人未満だったんで)。取得単位ぎりぎりで卒業したわたくしには有り難いことでした。


そろそろ10時。お茶を入れ直し大河ドラマ。(21:57)