半分仕事で,ぐーぐるせんせいに
「ありあけあんどんってなんですかー?」と聞いてみた。検索結果のページをあたまから順番に見ていく。3ページ目ぐらいに,プレビューからもそれとわかる,やおいな小説がひっかかった。職場でそういうものに遭遇すると咄嗟にお地蔵さんになってしまう。検索結果のページの時点でわかったお陰で,直接そのサイトに乗り込んで一層お地蔵さんになる危険は回避できたんだが。
それにつけても怖ろしきはぐーぐるせんせい。いくつかのHTMLファイルから構成されている長編小説の途中のページだけにピンポイントでヒットしていたのだった。そこに「有明行燈」ということばが使われていたという,それだけの理由で。
興味本位で確認したところ,やはり一見した限りではどうもどこぞに元ネタのあるキャラを使った素人作のやおい小説臭い。有明行燈だけが灯る薄闇の中で男同士が(以下略),という情景の描写に使ってしまったためにぐーぐるせんせいに目を付けられてしまった,と。わたしは世間に暗いので,元ネタ(キャラの出所)がなんなのかはわからないのですが。ちゃんと読めばわかるかもしれませんが。もしかしたらオリジナル小説かもしれませんが。
まぁなんちゅぅか,こんなところに落とし穴っちゅぅか。例えば10万件ぐらい検索結果が出てきそうな語句ばかりで埋め尽くされているのであれば,なんかの拍子に一般人が紛れ込む可能性は無いに等しいだろうけど,「有明行燈」なんていうマイナな単語を使っていると,割と上位にきてしまうんですな。後ろ暗いところのあるやおい小説をWebサーバに置くお嬢さんたちは,そのまんまな検索キーで検索されることには頭が回って随分と(余計なまでに)気にしているようすが伺えるけど,「有明行燈」は盲点だね。尤も,どこの馬の骨とも分からない人がたまたま「有明行燈」で見つけてしまうことは,彼女たちが危惧していることではないのかもしれない。だいじなのは「見つかって欲しくない人」に見つからないということだけで,その点(そのまんまな検索キーでひっかかる)さえ防げればあとは問題ないんだろう。
ここで興味をもたれているみなさん,「有明行燈」で検索してもヒットしませんのでよろしく。「有明行灯」でどうぞ(笑) 時代物つっても新○組じゃないので,悪しからず。
いやはやしかし。現代でない時代を舞台に設定すると,灯りひとつとってもどんなものを使っていたのか調べないことには書けないから,やおい創作も大変だろうなぁと感心もしたのだった。電気がまだ無いのはわかるけど,だったら何使ってたんだ,と言われても,すぐには出てこん(あたしだけか?)。
調べたところによると,行燈の明るさ(有明行燈の夜仕様だったか,それ以外の行燈だったかは忘れましたが)は60ワットの電球の50分の1で,それってのはとても暗いんだそうだけど,わたしには60ワットの50分の1という表現は,東京ドーム○個分並にピンとこない。いずれにしても,有明行燈の外箱(容赦ない表現)の三日月型のくりぬきから菜種油の火(がどんな色かはわからんが)が和紙を通してぼやーっと揺れ,障子越しの縁の外は山の端に沈みかけた下弦の月。そんなシチュエイションは,確かにかなり垂涎モノではあろうよ。うちは,先日も書いたように寝るときもシャッタをおろさないしカーテンも遮光ではないので,部屋の灯りを全て消してしまっても街灯の明かりで室内は夜行動するのに困らない程度の薄明るさを保っている。きっと有明行燈の何倍も明るいに違いない。なので,電気代の節約も兼ねて豆電球も消してしまう。実家では全部消すと真っ暗になってしまうので夜トイレに行くときのために豆球は付けていたものだけれど。実用面では,たとえそれがペンダント型の蛍光灯(下部の覆い無し)の豆球であっても何ら問題はないけれども(直接光が入るから寝付きにくいという弱点はあるにせよ),上からの灯りは色事に際しては色気に著しく欠けていると常々思っている。ただ,改めて考えてみて,下からの灯りで顔が照らされると肝試しみたいでさらに色気に欠けるような気もしてきた。枕元に行燈があるような素敵な環境でそのような試みをしたことがないのでわからないが。それに現代で枕元に有明行燈といっても中は白熱電球だろうから,菜種油の燃える匂い(もっと古くは荏胡麻油)までは再現できませんわなぁ。むむぅ。どうやら時代物やおいの道は険しくも奥深いようです。(23:05)