工藤の通算200勝は,


裏(表?)がオリンピックの女子ソフトボールという点を除けば,まさに“工藤の日”“工藤の試合”だった。「それだけの選手にはやはりそれだけの何かがある」と感じたものだ。


2-2の同点,7回裏,2アウト2塁,打順は工藤。200勝がかかっていなければ代打を出していたかもしれない場面。打席に立った工藤が,カウント1-3からプロ入り23年目にして初のホームラン。その2ランが決勝点になって4-2で,しかも完投勝利。


高校野球じゃないんだから。ピッチャーのタイムリーヒットはわりと聞く話だし,ホームランもたまにはあるけど,初めてで,そんな日に,打っちゃうところが,ただ者じゃない。


その後は,わたしでさえも「今日は逆転しちゃだめだよ」と心の中でヤクルトナインに呟いてみたり(ぉいぉい),巨人のバッターの皆様にも「もうこれ以上点は取るな」と呟いてみたり。


そんな試合の対戦相手になるのは愉快な話ではない。もちろん途中までは断固200勝阻止のつもりでいたが(わたしがそのつもりでいてもどうにもならんが),彼がホームランを打った時点で,これはもう彼が勝つしかないと諦めた。そこから逆転負けなんてあっちゃだめですからね。だからって手ぇ抜いていいってことじゃないけど。


尤も,ピッチャーがホームランで決勝点なんてのはかなり偶然なり幸運なりの要素が強いもので,パ・リーグで採用されている指名打者制の方がいいんじゃないかと最近思うんだけど。バッターとして明らかにレベルの下がる人間に9回に1回必ず打順が回ってくるのは……まあ,それを言いだしたらアメフトみたいに守備チームと攻撃チームに分かれるかという話にもなってきてキリがない。「9人なんだから9人でやろうよ,それが正しい姿だよ」という気持ちも,また一方にはある。


なるほど,工藤はずっとパ・リーグにいたんだから,バッターボックスに立つことすらなかったんだ。23年目にして初ホームランでも不思議はないか。しまった,うっかりしていた。どうりで打席に立つ姿が見慣れないはずだよ。


そんな一日でした。今日は工藤のご両親も球場で観戦。


工藤,ね。あのチームにいくまでは好きな選手だったのだが(苦笑)。ダイエーが優勝したときに秋山と一緒に喜んでいたのが良かったなぁ。西武時代の日本シリーズも思い出されます。(0:27)