過去のゲストライブの映像が流れている。


懐かしさに駆られて,つい画面に食い入るように見入ってしまった。見物は,6人のSM×Pだろう。さすがにアップにはならないが,カメラが引いているところにはきっちり(顔等も判別できる程度に)映り込んでいる。昔の歌(映像付)流すときは切りどころが大変そうだ。1996年になってもまだ6人だ。5人になったのって案外最近なのね,じゃなくて,1996年が既に昔なのか。


1993年から1995年まではCDTVを毎週のように見ていたこともあって,当時のチャート上位の曲はたいがい知っていた。テレビドラマもよく見ていたから,テレビドラマ主題歌として聞く曲も多かった。俳優さんや歌を歌っている人やバンドの人をかっこいいなあと思う年頃でもあった。そういう意味で,この頃の曲には好きな曲が多い。また,十年一昔とはよく言ったもので,服装にしても当時上位に居た人たちの名前を見ても「今」の範囲にはもう含まれない感じがする。NOKKOジュディマリ小沢健二,こないだ結局解散してしまったTHE YELLOW MONKEY


お,1996年でも「SHAKE」は5人だ。理解。


1996年以降になると,知っている曲の数そのものは減っていくし,曲への愛着も薄くなる。いや,こうやってみると,単に1996年が谷間という気もするな。わたくしの人生に於いても1996年というのは大した年ではなかったし(大学受験をしたり引っ越したり男に振られ気味だったりはしたけれど)。1997年になるといろいろ楽しい。そして川本真琴がかわいいっ。いいなぁ。若いなぁ。わたしはまだ幼かったなあ。


最近,同い年の誰かの年齢が(27)と出ているのを見ると「おお大人だ,おかしいな,わたしと同い年のはずなのに」のように思ってしまう。27歳というのは既に何かを為している人が増えてくるし「若いとは言えない」というイメージがあるのだが,自分は全然そんなじゃない。その一方で,自分が幼いとは思わないことも多くなってきた。学生時代の初めの方を思い返して幼かったな,と思ったり。つまりそれなりには年を取っているということかしらん。人生経験を重ねていくことについては前向きに考えているつもりなのに,失われていく若さにちょっぴり焦りを感じ始める今日この頃。


テレビ番組つながりで。先週の「恋するハニカミ」(現沖田の人と元こころの人)は見たのに,今週の男性の方が堺さん(山南さんの人:説明になっていない)だなんて知らなかったわよぅ。というわけで,しっかり見逃してちょっと寂しい。つっても,毎週見ている番組でもないしどの局で何時からやっているかも知らないので,気にしても仕方ないのだが。


堺さんは,これ(ハニカミじゃなくて)がテレビドラマ出世作になるだろうな。未だにヅラじゃない姿を見たことがないのですが,気にせず是非時代劇で(笑)。やっぱり映画の「壬生義士伝」が気になるなあ(沖田役ですね)。


堺さんの話で思い出した。先週の日曜日に感想を書いたときに詳細を省いてしまった,女郎屋「浮舟」での二人がかわいかった話。


説明が難しいのだけれど,とても他人事には見えなかったのですよ。つまり明里(女郎さんの名前だ)さんは,インテリ男子萌えのご先祖様なのだ。31話で「うち,学のある人が好き」「難しい話をしていうるのを見ているのが好き」とのたもうた。それは今で言うところのインテリ男子萌えではないか。(ただし,「自分にはわかんない話でも見てるのが好き」などという奇特な女の子はそうそういないと思うので(少なくともわたしは厭だ)インテリ男子の方々は慢心しないでいただきたい)。


そして32話になると,明里さんはえらい勉強している。何やら書き物を読んでいるぐらいに(元から字が読めたとは思えない)。それでも関ヶ原の戦いについて全く覚えていない明里さんに山南せんせがキレて「もういい,あなたに日本の歴史を教えようと思ったのが間違いだった」とありがちなことを仰る。明里さんは半泣きで「どうせうちはあほや,最初からそう言うてる。でもあほなりにがんばってる,せんせと話がしたいから」と泣かせることを言うのですよ。おいら涙涙。インテリ男子萌え女子の切なさですよ(たいへん同情及び共感)。


そこで拗ねて暴れる明里ちゃんの肩を山南せんせが押さえて,もとい,抱き寄せて「済まなかった,今日のわたしは虫の居所が悪かった」「うちに関係おへん」「だから済まなかった。もう勘弁してください」。くぅぅぅ,情けないやっちゃなぁ(泣笑)。でも,それがいいんだな。


なんで憧れたのか今分かったよ。わたしがいくら拗ねたところで,弱り切った顔で「わたしが悪かった」とか「済まなかった」とか言われ,挙げ句「欲しいものを言ってください,あなたに絡んだお詫びです」とご機嫌取りをされたことがないからでしょうな。それ以前に,難しい話に付き合いたいからってがんばって勉強することもないわけですが。わたしがきぃぃっとなっても上から見下ろされて「はいはい,どうどう」となだめられるか屁理屈で煙に巻かれるかぐぅの音も出せなくなるまで屁理屈でやりこめられるかのどれかですんで。


「八つ当たりしたお詫びに欲しがっている物をあげる」なんて,あまりいいことととも思えないけど,そうは分かっていつつもやっぱりうらやましいというか憧れるというか。複雑な心境だ。


ということでした。ああ,全然説明になっていない。


そういう下手なご機嫌取りをしちゃう情けなさもまたインテリ男子の魅力なんでしょうかねぇ。山南さんなんてインテリだけど優柔不断で臆病で小心者の弱虫だし,優しさもつまりは優柔不断の表れでしかなくて,そういう「ダメだなぁこの人は」ってのがテレビ受像器の外側で見ている人間には愛おしい部分ではあるのですが。まあ,それはこの際置いておいて,インテリ男子が,ちょっと頭弱いけど気だてはいい女の子に振り回されて,守備範囲外の「女あしらい」分野で弱っている,という図はたいそうかわいらしい。そしてまた,インテリ男子萌えのわたくしとしては,そうやってインテリ男子(理想を言えば山南さんよりはもう少ししゃんとしてて欲しいけど)に,「このこはばかだけどかわいいなあ」と弱られたりかわいがられたりはいいなあ,と思うのですよ。


単純に,「欲しい物を言ってください」とか「では,今一番したいことは何ですか,この次に来るときまでに考えておくように」などと,物なり行為なりのお詫びがうらやましいだけかもしれんけど。あー。ご機嫌とられたことがないですねもしかしてわたくし。……それだけかい。


今までこのドラマの中でもいろんなカップル模様が描かれてきたものですが,この山南さんと明里さんのやりとりが一番いいなあと思うのは,他のカップルに比べて自分にとって身近な感覚がしたからかなあとは思うものです。全国のインテリ男子好きの皆様いかがでしょう。(3:13)