数学苦手
先週の少し嬉しかった出来事。
遊びで,某地方自治体の公立高校入試の問題を解いていた。全部ではなくて小問を幾つか抜粋で,それも答えが四択になっているもの(改題しているものも)。
至極予想通りなのだけれど,国語は諸事情あって漢字問題しかないから超簡単,英語も選択式だからかなり簡単,なのだが,数学と理科がえらい難しい。特に理科は暗記教科の要素も強いので,問題を読んでもまず問題の意味(実験の設定とか)がわからん。解いてみようという気すらおこらず,完全にお手上げだった。数学も「数と式」(?)ぐらいは難なく答えがわかるのだけれど,図形が出てくる辺りから俄然難しくなってくる。
何ともはや。「義務教育」って簡単に言うけど,えらい難しいことやってたよな。十年以上経つと,な〜んも頭の中に残ってないのね。つくづくこれが解けていた(覚えていた)昔のわたしは凄いよ。でもって,現役の中高生も偉いよ。
それはともかく,数学でこんな問題。
四角形ABCDがあります。AD//BC,AD=1cm,BC=2cm,角BCD=90度,DC=3cm。(文だけでなく図も掲載,ABCDは左上から反時計回り)。この図形をCDを軸に1回転させたときの側面積を求めなさい。円周率はπ。
かなまるに「まぁ3分,できる子なら1分」と言われたこの問題,わたしは初見で10秒ぐらい考え込んだが手のつけようがわからず「これが中学校数学レベルか!」と逆ギレしてそこで止めた。が,わからないままも悔しいのでトイレに入ったときについつい考えはじめ,そうね……1分ぐらいしてようやくとっかかりに気づいたかしらね。そのままトイレで解き方を考え込むこと,おそらくトータル5分は固い。その後席に戻って(会社だったので)計算するだけでさらに5分だ。答えが分かったときには達成感と自己満足に充ち満ちていたよ。
もともと空間図形が苦手というのはあるのだが,計算にかかってからのとろさとか要領の悪さとか(一回で済む計算を2回することさらに2度みたいな)は情けないっちゃぁ情けないんだけど,「解けないかも」と思った問題を自力で正答に導けたのは嬉しかった。吹聴して回りたいぐらいだったよ。涙出そうだったよ(大げさ)。1分以上かかっていてもね。
思えば,こういう喜びは学生時代,ゼロではなかったけれどほとんどなかった。中学時代の数学はパターンごと暗記する教科で考えさせるような問題は殆どなかったし(中3の時に一瞬私立を受けようとして通った塾では割と難しい問題を解かされたけれどそれ以外はぬるかった),高校時代は公式暗記教科だった(落ち零れたので問題パターンを暗記するに至らなかった)。どっちにしても,解けなくてはいけないという前提で取り組んでいるから,一見見慣れない形の問題が出たところで,解けて嬉しい,ではなくて解けてほっとしたに近いわけで。
大人になるってのは楽になるってことかしらね。こういうの楽しいって思えていたらもう少し数学が得意になれていたかしら。
否。
小学校5年生の時の担任に「算数も悪くないと思いますよ」みたいなことを言われたのを最後に,理系をほめられたためしがない。その後大きくなってからも,知能テストだのテレビのクイズ番組だのSPIだのといった場面で,いわゆる教科の数学ではないさんすう系問題(数列処理やさいころの展開図の問題だ)を解く機会は何度かあったが,同時に出されることば系の問題ととうてい同じレベルの問題を出しているとは思えない。と毎回思い続けているからには,……まぁ「ことば系」の問題は知っているかどうかだけなので,その後の人生での時間のかけ具合の差,つまりセンスつっても結局は経験の差なんだろうけども。
だけど,ことば系は簡単に覚えられるのにさんすうの法則は何度繰り返しても覚えられないのだ。理屈から理解できていないから覚えられないのか,使わないから覚えられないのか,それはわからないけれど,使う機会がある法則でもそうだから,やっぱり生まれ持っての適正も全くないとは言い切れないんじゃないかな。身近な例では,わたしは植木算がわからない為に年齢や生まれた年を数えるときや曜日(何日後が何曜日)を知るときとかをいちいち指折り数えている。1引くかどうかの違いなんだけどそれがわからなくて数えないと不安になるのだ。あとは比もつい最近までわかってなくて,写真スキャンの拡縮指示の度に「どっちからどっちを割るんだっけ?」と,これまたいちいち比の式(○:△=×:□,○・□=△・×,……ってやつ)を書いて計算してました。4年ぐらいずっと。や,嘘じゃなくて。これが大変手間でねぇ(苦笑)。最近ようやくどっちからどっちを割るのかを覚えました。はぁ。
ま,そんなだから得意にはなれなかったと思うけれど,楽しいってのは大事だよね。子どもの頃(それこそ小学生の頃)は算数(それこそ植木算とか鶴亀算とか二次元レベルの図形問題とか)もおもしろいって思っていたっけな,と,昔を思い出しました。