クラブ愛地元愛郷土愛


本文無し。


オチはありません。世の中には色々な人がいて,どれがマジョリティでどれがマイノリティかは分からない。マーケットにはいろんなのがいるからこそ難しいんだろう。


こういう人もいるよということで,今の自分の記録。明日には別のことを言っているかもしれない。現に,先週とは既に少し考えが変わっている。


前提として,「地域密着のクラブチーム」思想が実現されると自分がはじかれそうという根拠のない感覚があって。地域という概念がよくわからないから地域密着した姿もピンとこず,その状態での自分の立ち位置も想像できない。だから実はあまり好きじゃない。わかれば好きになるかもしれないけど今は。


今の自分に土着感がないこともあるし,スポーツを「する」側として参加することも考えにくい。なのでそういうアプローチの対象には入らないし対象をそこに絞り込まれるとはじかれたように感じて寂しくなる。


これまでも,地元<だから>という理由で応援するに至ったことは一度もない。最も地元帰属意識の高かった時代には地元にチームがなかった。子どもの頃は岡山にプロ野球チームがあればいいのにと思っていた。ないのが残念だった。そのころは地元にチームがあれば地元だからという理由でそのチームを応援するという流れになっていたと思う。


その後引っ越してよそに移って地元にチームがある状態になったこともある。ちょうど京都紫光クラブJリーグに上がったときに京都に住んでいた。今のFC東京(サッカー)も,厳密には地元ではないしそれゆえ露出もさほど多くはないが,比較的日常生活の中で目にする機会が多い距離にはある。それらのチームを口では「応援しようかな,試合観に行ってみようかな」と言うし,そういう気持ちにもなったことがないでもないわりに,実際に行動に移したことはない。


おおかた理由は3つあって,1つには,極端に横着な性格で腰が重い。これがいちばん大きい。2つめは,もともと興味関心のあるスポーツでないと参入しにくい。3つめは,地元<だから>で熱をあげられるほどには地元意識が強くない。


もう一つ話の流れとして「クラブ愛」も引き合いに出しておくと,わたしにとっては<地元だから>と<同じクラブのチームだから>は同程度な気がする。誰かに誘われればひょいひょい着いて行くしその後は1人でも観に行くようになる可能性はあるが,自分から能動的に積極的に参入する理由としては不十分。それだけではわざわざ競技場まで観に行ったり,わざわざテレビ中継を観たりには至らない(京都サンガFC東京赤ロケで実証済み)。


一方で,そのスポーツに初めて参入するのであれば,最初のきっかけとして地元だったり他競技で好きなクラブだったりを意識したり贔屓目に観るところから始まるだろうなあ,とも思う。そこで地元なりクラブなりで情報が盛んに交流していれば,他競技参入への垣根は低そうではあるよね。でもそのままその競技でもそのチームのファン(サポーター)になるかというと,他のファクタが多いし他のファクタの方が強いと思う。(赤ロケより久光の方が好きとか,そういうこと)。他のファクタと言うと仰々しいが,要するに選手ミーハーからどうしても逃れられないらしいと悟った今日この頃。


冗談はさておき,結局のところ地元だろうがクラブがどうだろうが,2つめの理由「その競技自体に興味関心があるか否か」が実はすごく大きい。だって,これを満たせないと観ててもつまんないじゃん。


ただしこれは自分が歳を取って保守的な傾向がより強まったことが影響していると思う。自分の興味関心の範囲を自分自身で決めつけて,自分で引いた境界線から外に出ようとしなくなっている傾向を強く感じる。若かった頃(10年以上前)は,知らないスポーツのテレビ中継も積極的に見ていたものだし楽しんでいたものだ。それが今では,バレーボールで言えばプレミアから出ない,男子から出ない。野球で言えばNPBから出ない。サッカーはもとより,バスケットボールもラグビーアメリカンフットボールも見なくなった(もともとそんなにたくさん見ていたわけではないが)。何かというと「キャパがない」と言っては自分を甘やかしている。柔軟性があって何事にも幅広く興味関心の羽を広げられれば,競技への対応はあとからどうとでもなるんだろうな。


ただ,スポーツを観る・応援する行為には当該競技そのものへの関心・理解が大切だし,長く続くには当該競技そのものが好きかどうかにかかっている,と,自分では思ってるんだけどね。まあ,そこは人それぞれだろうと思う。わたし自身,当該競技自体への愛の有無についてははなはだ疑問の残るところではある。


結論出たかな。


補足。

チーム愛(「クラブ」らしいチームではないので)と地元指向


自分の地元だからそのチームを応援しはじめた,のではない。きっかけは全く別。


ただ,なんでかしらんが,今はたまたま,地理的に最も近いチームであることは事実。


途切れ途切れながらも細々と特定のチームの試合観戦(と心の中で応援)が続いている理由のうちには「近いから」が,かなりの割合を占めているとは思う。ホームゲームに自宅から1時間弱(330円)で行けるのは大きい。


それを,広い意味で「地元だから」とは,言えるかもしれん。きっかけの理由ではなく継続の理由として。


しつこく強固に保守的な性格なので,このチームと決まったら,どれだけチームカラーが変わろうが弱体化しようが,同種目同カテゴリの別チームを応援する気持ちにはなかなかならない。


仮に,より近くに同競技の他のチームがあったらどうだろう。そのチームの地元へのアピール度合いによってはもしかしたらそちらに流れるかもしれない。逆にアウェーの機会を利用してもとのチームを応援しつづけるかもしれない。


そんなことはそうなってみないとわからないことで,そうでない今はなんとも言えないが,サントリーの練習見学@箕面に2度行っている(NECの練習見学に行ったことはない)のも,六甲おろしも1番だけならそらで歌える(東京音頭はさすがに歌えるが飛び出せヤクルトスワローズは覚えられない)のも事実。


いちばん,は変わらなくても,近くのチームが2番目に好き(応援している),には容易になりそうだ。


さらにいえば,近くに同競技の他のチームがなければ競技自体から離れていたかもしれない。これは全国規模のメディア露出に頼らざるを得ないので。


それを考えると,近さって,大きな要素だと思う。活動拠点との距離(行きやすさ),地元メディアの露出,どちらも。


ただ,いずれにしても,前提として,その競技に地域性とは別のきっかけで興味を持っていて好きになっていた,というのが自分の場合はある。繰り返しになるが,今は地元帰属意識が希薄であることもあって,地元のチームであることをきっかけにしてその競技に入っていくことはないと思う。地元のチームだからがきっかけとなる人もいるであろうことは否定しない。

地元愛


8年以上同じ家に住んでいるけれど,ここを「地元」という言葉で言い表す発想・感覚はあまりない。愛着はあるのだが(出たがらないのが何よりの証左)。


その地域に住んでいても「その地域の住民」とは言い難いからかもしれない。「自分が住んでいる地域」という認識は持っているが,他の地域住民から自分の存在を認められていないので「地域住民」というコミュニティ的なものもしくはカテゴリ的なものには含まれないという感覚。「地域」にとってはヨソモノがかりそめに間借りしている存在が続いていると思われる。たとえば回覧板とか自治会とかいった類の活動(がここにあるのかどうか知らないのだが,このあたりは集合住宅や最近の建売よりはそこそこ年月の経った戸建てが多く年配の住人も多いので,地域社会コミュニティがあるような感じがする)に入っていない自分はヨソモノという意識が強いかも。


もちろん,そもそもそこまで密なコミュニティはそもそも存在していないかもしれない。東京の郊外の住宅地がどういうところなのか,よくわからない。


子どもがいれば違うと思うよと夫に言われた。幼い子どもの生活圏はほぼその地域に限られるし,保護者として地域の他の子や子の保護者との付き合いが発生する。子とその保護者で構成されるその地域のコミュニティというものはどこかに存在しているのだろう。


子どもがいなくても独り暮らしでも,積極的にコミュニティに参加しようと思えば機会はあるだろうが,今の自分はそれをしていないので。

地域密着


「地元」とは言えないが,ケーブルテレビのコミュニティチャンネルをたまに見ていると,FC東京(サッカー)の選手が出ていることがある。京王線のフリーペーパー(あいぼりー)にもよく登場している。それを見ると府中の青いロケットの人たちや青山の燕の人たちももうちょっと地域密着してくれればいいのに,と思う。が,彼らも地域に根ざした活動をしていないわけではない。けっこうしている。


地元の活動ってのは,地元以外の人にはあまり知られる機会がないわけで,府中民でも青山民(?)でもない自分のところに届かないのは当たり前。余所からしてるしてないはわからないし,地元民でなければその恩恵も受けられない。頻度・内容に工夫・改善の余地もあるようには見受けられなくもないけどね。


府中はともかく(もうちょっと府中コミットできないものかね)特に青山の燕の人たちは,御用地やら御苑やらに囲まれた立地で行政区域上も港区と新宿区と渋谷区のちょうど境目で,地元とか地域ってものにコミットしにくいだろうなというのは,地図を見ていて思う。


それにプロ野球って,まだ,ファン自身も,今でも国民的スポーツである(もしくは,あるべき)という幻想に囚われているんじゃないかとか。何かしらマスメディアを使って全国規模の人気を取りたがるっちゅうかね。企業の広告効果という点では,どうせなら全国,って思ってしまうものでもあろうし。青山だけでヤクルト製品売れてもねえ,みたいな。


余談だが,わたしは比較的チームとその親会社とは切り離して接している方なので,スワローズファンだからヤクルト製品を積極的に買うとかブルロケファンだからNEC製品を積極的に買うといった発想になかなかならない(親会社にしてみれば質の悪いファンかもしれない)。それでも,通勤路のヤクルトの販売拠点とそこにある自販機を見る度に,おおヤクルトだ,とささやかな感動を覚えるし窓にファンクラブ入会案内など張られていると「張ってくれてる♪」と嬉しくなる。お茶のペットボトルを買うときもたまにサントリーにすべきかJTにすべきかはたまた伊藤園新之助じゃなかった海老蔵)にするか悩む。日常生活でヤクルトと聞いても乳酸菌飲料よりも先にスワローズが出てくるし,ヤクルトスワローズと聞いて乳酸菌飲料を思い浮かべることも滅多にないが,ヤクルトスワローズがなければ会社としてのヤクルトの「音」の日常で耳にする頻度は格段に下がると思うけど,どうかしら。選挙の時に選挙カーが名前を連呼する程度の広告効果はあるんじゃないかと思っている。


その程度で良いのかってのは別の問題。

郷土愛


神宮球場阪神戦や広島戦のビジターの客入りは大変多い。兵庫や広島から遠征してきた人もいるだろうし,地縁のないファンも多いだろう。でも,あれだけの人数がコンスタントに入るのを見ると,その地方出身で今は東京に住んでいるファンも一定割合でいそうだなと思える。


子どもの頃,岡山にプロ野球チームがあったらその球団のファンになって応援するのに,と思っていた。地元にプロ野球チームがなかったのが寂しかった。その頃からあって今でも続いていれば,そこの応援を続けているかもしれない。


しかし,自分が地元を離れて何年も経ってから誕生したファジアーノ岡山に対して,これ幸いと熱心に応援するかというと。……うーん。少なくとも,おらがチームと言えるほどの密接な結びつきはまだ感じられない。


先週,同郷の同僚に誘われて,東京V−岡山戦を観に行った。稲城ホームの東京V(いちおう名前ぐらいは聞いたことのある選手が2人いた)とアウェーの岡山(当然選手は誰1人として知らない)と,どちらの心的距離がより近いのか,これは難しい問題だった。


そりゃ,岡山とどこかを挙げてどちらかを選べと言われたら,たいていのチームよりは岡山を選ぶ。たとえば,鳥栖とか草津とか山形とか湘南とかの縁も馴染みもない地名よりは。でもそれはどこのチームも等しくチーム名以外の何も知らなくて判断材料が他にないからで,もともとある程度J2のチームに詳しかったり好きな選手が特定のチームに所属していれば,後発の岡山に乗り換えはしないんじゃないかな。岡山は岡山で心の中で成功と活躍を祈念するけれども一番好きなのは○○というのは,どこまで行っても変わらない気がする。わからん。


たられば話は置いといても,サッカー観戦の習慣もないしサッカーのことをあまり気に掛けていない今の状況は,岡山がJ2に昇格したからといって急変はしなさそうだ。そこまでの郷土愛は……ないんじゃないかなあ。


それにJリーグ各クラブを地元感郷土感で争ったら,FC東京(住居からの距離が最も近い),東京V(職場からの距離が最も近い),浦和(夫の実家や兄弟が住んでいる),大分(夫の出身地)と選びたい放題で前の二つは同じ名前の男子バレーボールチームまであるので,岡山が後発ぶっちぎりで追い抜いてトップに躍り出られるかは微妙。


……と思っていたけど,ファジアーノ岡山の社長のインタビューを読んでいると,俄然里心が付いて応援したくなってきた。


でも,J2に上がってから応援しはじめたんじゃ,メジャーデビューしてから応援し始めるのと同じであんまり意味がないような。尻馬に乗ってるだけのような。


J2の観客動員数5位なのは立派。ホームの試合が多かったのは岡山としては良かったんだろう。


国体で運動公園のあたりも様変わりしたようだし,駅も全く様子が変わった。西口の再開発まだ途中だけど,完成したらさらにパワーアップするんだろう。


もう,自分がよく知っている街ではなくなっている。


地元感は,ないよね。


かねがね岡山の規模じゃプロスポーツチームは厳しいだろうと思っていたが,どうやら出だしは順調なようでなにより。岡山の人間は比較的地元愛は強いかもしれないが,スポーツ観戦を楽しむ文化ってのがあったようには見えなかったし,人口と交通の便からも興行的にはキツイと思っていたんだけど,やってみるものだ。


喜ばしいことではある。それはJリーグから見てではなくて,岡山の中から見て。単にアウェーのサポさんが外貨を落としてくれるというだけでなく,若者が郷土に愛着を持てて郷土を捨てにくくするしかけとして。大阪から新幹線で1時間弱の距離のうえに街自体は大きくないので,若者が簡単に外に出て行くのですよ。高校時代おされな子は買い物に三宮行ってたらしいからな(日帰り圏内)。


東口の寂れっぷりが深刻化しそうなので,古い岡山人としては寂しくはありますが。


シーガルズのこともたまには思い出してやってください。

余談(味スタ)


それにしても,平日のナイターで2800人も入るJ2ってすげぇ。箱が大きいからがららーがだったけども。


前回行ったときには,東京スタジアムと呼ばれていた。デーゲームで,J1の開幕戦で,雪の日だった。


8年ぶり2度目のサッカー生観戦にして初のナイトゲームは,照明で浮かび上がる芝が闇夜に鮮やかに映えてすっごく綺麗だった。スタジアムもまだじゅうぶんに新しくて快適だし,広々としたピッチで見せるダイナミックな動きにはやっぱり生だよなってしみじみ思った。あの空間にいるだけで良い気分になれる。今度FC東京の試合にでも行ってみようかなと思ったもの(しかしJ1は逆に怖くて行けん)。あそこは屋根が覆っている範囲が広いのも良い。近いのは近いんだ。文句なく。神宮よりも近いかもしれない(未確認)。バックスタンドは遠かったけども。