「失速する」音楽業界とカラオケ本人出演映像(PV)と歌謡曲(酔っぱらい仕様)


日曜日にひさしぶりに一人でカラオケに行ってきた。ちょうど出かける直前にたまたまこの辺の記事を目にしていた。


かつての輝きはどこに!? GLAYが「失速」したワケ - 日刊サイゾー


地方の県民会館なのはホールツアーだからだろう。これからドームツアー始まる人や海外公演の人が今もホールツアーをしているのかどうか知らないが(少なくともドームツアーの人はちょっと前はアリーナツアーを回っていた),ドームツアーの人だってうっかりライブハウスでやりたがって阿鼻叫喚だったりするらしいので,ステータスは箱の大きさではない。だいいち,冷静に考えて,全国から老若男女一人残らずかき集めても1億3千万人程度しかいない国で500万枚のセールスがあるほうがおかしい。


それに15年もやってたら,コアなファンを中心に活動するスタイルもアリだろう。ネガティブな意味ではなくて,固定ファンを大切にして安定した音楽活動を続けることの何が悪い。セールス的には今のぐれいさんさえも比べるに及ばないばくちくさんだって,たぶんバイトせずに食べていけてる。


「食べていけ」ればそれでいいってわけじゃないって話か。価値観とか目標とか,いろいろあるわね。


いろいろあっても,おおざっぱにくくれば人気がある人に入れて差し支えなかろう。人気のある人(や曲)はカラオケでPVが流れるので,それは楽しい。あと,本物のオケの音(っていう言い方でいいのかな)の曲があるのもいい。そういう意味ではたいへん羨ましい。


昨日のカラオケは一人だったので上の記事に出てくるような人たちの90年代後半の曲ばかりがしがし歌っていた。カラオケで楽しく歌えるかどうかはけして曲そのものを評価する絶対的な指標ではないけれど,90年代の商業音楽がカラオケ人気を意識していた部分は,きっとあると思う。


今井さんの曲は,極初期のポップでメロディアスな曲を除くと,カラオケで気持ちよく歌ったりサビでがーっと盛り上がれたりという曲にはまずお目にかかれない。サビの終わりんとことか,わざとだろ,という下げ方をしてくる。なので,歌が下手な人間としては,いまいち消化不良になる。


それに対して,マイクが必要ないぐらいに声を張り上げて,「♪つがるぅ かいぃきょぉおっ」とか「♪おーんなぁあああああ ごぉころのおおおお」とかと同種の気合いで腹筋をぶるぶるさせながらサビを歌い上げることができる曲は(当然人には聴かせられない),運動したぜ,という達成感がある。演歌もびっくりの歌謡曲らしいメロディラインやコード進行は才能だと思う。真面目に。


娯楽としてのカラオケ人気が当時の勢いをなくせば(たぶん),ヒット(させたい)曲の傾向も変わるだろう。だけど音楽って趣味の世界なので,ダブルミリオントリプルミリオンにならなきゃダメってことはないしそのほうがおかしい。そりゃ今だって,ファンクラブに入っていようが入っていまいが容赦なくライブのたびにチケット確保にめちゃめちゃ苦労するようなバンドはあるんだろうが,それはそれでファンは大変だ。ぬるくファンできるぐらいもいい。そりゃ,もうちょっと売れてくれてもいいんじゃないかとか,即完売は嫌だけど空席もなるべく見たくないとか,レコード会社が合併すると売れてないとマズイことになるんじゃないかとか,心配の種は尽きないけど。


上の記事の人も,機会があれば一度ライブに行ってみたいと思っていた時期もあったけれど,当時飛ぶ鳥を落とす勢いで,幕張の空き地で20万人規模みたいな意味がわかんないことをしていたので,行けるわけもなく。今だってじゅうぶん難度高そうだ。ライブ好きなほうなので,気軽にライブに行けないとつまんないな,と思って一歩下がってしまう。そういう人もいる。


何かいてるのかよくわかんないけど,酔っぱらいなのでそんなかんじ。