2012年バレーボール観戦初め


1/15金岡(サントリー対堺)が初見の予定と言っていたけれど,結局,東京体育館春高バレー(全国高等学校バレーボール選手権大会)を観に行き,これが今年の観戦初めとなった。


今年の目標の一つに「失礼のない恰好をする」というのを挙げてみた。で,土曜はその後買い物の予定もあったので多少気を遣ったのだけれど,慣れないことをしたため裏目に出て,服も化粧も変な感じで落ち着かなかった。そこで日曜はちょこっとだけ観てすぐに帰るつもりだったこともあり,すっぱりさっぱり元の木阿弥状態で出かけた。


そしたら某選手にエンカウントするわ(先方はもちろん自分のことを知らないので,全く気にする必要はない),知り合いにばったり会うわ。人の多い春高,よもやエンカウントはあるまいとたかをくくっていたが,油断できない。


装うのは嫌いじゃないが,買い物が苦手だ。土曜に新宿のルミネエストを通ったらセール中でうるさいし人多いしでかなわんかった。その状態で服やらアクセサリーやらを選ぶのは,楽しいよりも苦痛に近い。だれか一式見繕ってほしい。という根性がすでにダメ。


わたしの場合,服や化粧以前の問題ではあり,まずはそこから。


閑話休題。以下自分用覚え

1/7(3回戦,準々決勝)


事前の観戦ガイド的なものも見ておらず,パンフも帰りに買った。ノープラン。準々決勝の途中から観戦。


大村工3−0宇部商 ちょこっとだけ。大村が盤石な印象。宇部商は1番*1に集めすぎで,そんだけ集めてりゃ止められるだろう,という感じで。ストレートで大村工。


東亜学園2−1石川県立工業高校 石川県工がいいというか東亜が微妙というか。全体的にせせこましい。第1セット東亜が簡単にとったけど,第2セットから石川がしっかりブロックについて塞げるようになってた。東亜は1番キャプテンのMB*2のジャンサが効いてた。バナナサーブ打ってた。12番*3さんはきっともっとできる子。石川県工の5番さんが素敵だった。


この頃Dコートで大阪国際滝井誠英がとんでもない大接戦になっていた。第3セット,誠英がビハインドから追いついて追いこして,デュース。4コート進行の端のコートなのに,客席中が次第にそちらに吸い寄せられていく。もつれにもつれて何度もセットポイントを握るチームが入れ替わり,34-32で滝井が制した。


創造学園2-1西原 試合前練習で西原がダブルクイックとかコンビ系の練習をしてて面白かった。創造2番のサーブがいい。両チーム動きがきびきびしていて楽しい試合。地力は創造かなとおもったが,西原が第2セットを取り面白くなった。しかし第3セット13-11(?)あたりの西原リードの場面から創造が7連続得点して抜け出して,うげぇ,っていう強さ。


鹿児島商業2-1東福岡 序盤は緊張してたのかお見合い多め。東福岡がバックセンター使ってたのが,なんつーか,好きです。7番さん*4が助走全くサボらないし頼もしくて素敵。これもフルセットの接戦だったが,東福岡の方が気持ち穴が大きめに見えたし終盤7番さんに偏り気味で,試合はオプションの多い鹿児島商業。


自由席が3階しかないので3階の上の方で見ていたのだけれど。最近東京体育館の3階みたいな遠くから見る機会がめっきり減っているので,如何ともしがたい遠さ(笑)。リベロの変わり方が面白かったりフロントオーダーのチームが多かったり。ノープランだったのでどうしたものかと思いながら見ていたり。ゆるゆると。

1/8(準決勝)


準決勝はセンターコート*5。5セットマッチ,テクニカルタイムアウトあり。


東九州龍谷3-2下北沢成徳 試合が終わった途端,両チームがぐだ泣きした。勝った東龍も。この試合にそれだけ期するものがあったのだろうし,それだけの熱戦だった。第4セットは2セットアップだった東龍が終盤までリードしていて,最後に成徳が追いついてフルセットに持ち込んだ。第5セットはずっと成徳がリードしていて,10点過ぎてから東龍が土壇場で追いついた。東龍は非常にきわどいところをくぐり抜けての勝利だった。女子は,特に高校は,サービスがサービスだなあと。ブレイクが多いと言うよりもひとつのラリーが長く,サーブ側/レセプション側がラリー中にリセットされる。そのラリーをどっちが取るかわからないし,簡単にサイドアウトも取れないし,逆に,追いつこうと思えば追いつける。終盤で点差が離れててもさくっとは終わらない。そんなことを思いながら。


東亜学園0-3大村工 前日ちらっと見た印象そのままに,大村が堅実な試合運びで圧勝。両校S1スタートのフロントオーダー。大村はサイドの1番4番6番がみんな決定力があって,どのローテーションでも誰でも決めきれる。とくに6番さんは守備に攻撃にとマルチな活躍で,上のカテゴリで見てみたい選手*6。ブロックも機能している。対する東亜はサーブでも崩されていたが,繋ぎというか2打目がうまくない感じ。ブロックのワンチフォローや被ブロックフォローも含めなんか繋ぎでばたばたしちゃって3打目がすっきりしない。それはそうと,栗山・冨田を並べて後衛スタートなのはなぜなんだぜ。


鹿児島商業0-3創造学園 見事に目玉がそっくりで,しかも両校みんな坊主頭で,おまけにサイド側からの観戦(=背番号が見えづらい)。おかげで,そちらにえらく難儀してしまった。創造が4→6→8→1→3→2 L12/17。鹿児島商業が4→6→11→1→3→2 L8/9。どちらもS6スタートのバックオーダー。創造の2番セッターさんが,ラリー中にスパイク打ったり(MBがトスあげてた)ダイレクトに返ってきたボールをスパイクしたりといろいろ楽しい。ライトからの打数がそれなりに多かったけれど,必ずしも「攻めたがり・打ちたがり」が前面に出ている感じでもなく,ボールに対する嗅覚と状況判断が良い感じで,バランスがいい。結果は創造のストレート勝ちだったけれど,ハイレベルで面白い試合だった。ハイレベルっていう言い方が適しているのかわからないけれど,両チームの攻撃の仕方や選手の役割や選手交代の仕方などが見慣れた感じで,見ていてどことなく安心できる。強いて違いを挙げればオポジットが守備寄りなところだが,プレミアでは滅多に見ないもののチャレンジや大学では珍しくない布陣。それにどちらもけしてレシーバー的な働きではなかった。去年の武大ぐらいのかんじ。


要するに,わたし,バックアタックが好きなのね,ということを再認識した試合でもあった。

その後(所感)


勝戦はまだ見ていない。男子大村工対創造学園の決勝戦はフルセットで大村工業が勝利し,優勝したとのこと。うまく録画できていれば録画放送を見ようと思っている。女子は東龍が氷上を下し,4連覇(高校選手権として)ないしは5連覇(春高として)を達成したそうだ。


試合中創造の3番MBさんが故障して一旦下がったもののまたコートに戻り,しかしとても試合ができるような状態ではなく云々という話を伝え聞き,感情や考えの持って行きどころに迷う。


折しも,1/9はサッカーの高校選手権の決勝戦も行われていた。


どちらも,テレビ番組では3年間の集大成,高校生活最後,ひいては競技生活のソレ,みたいな文脈で扱われ放映されがちである。そのことについての是非,また,高校スポーツの実況や解説はどうあるべきか。いろんなスポーツの大きな試合と重なった日程となった「春高」のロイヤリティーの低下などなど。考えがまとまらない。


極めて率直に現地で見た感想を言えば,競技そのもののレベルは,けして高い試合ばかりではない。そのことと試合のおもしろさはまた別だし,もちろん善し悪しの話ではない。つまんない試合ならトップリーグにだってあるし,そんなこと言い出したらセリエA1かスーパーリーガかみたいな話になっちゃってキリもないし。


だけどまあ,競技の内容を追究していく方向にするなら高校じゃなくてもいいよなー,っていうのが正直なところで。高校生の試合に観客(視聴者)として求めるものって,また少し違うところに軸があるんじゃないかと感じたのも確か。


高校生スポーツを特にテレビのコンテンツとして売る場合,そこに青春のひたむきさがあるのは嘘じゃないでしょう。だって,感動するもん。準決勝で勝って涙ぼろぼろこぼしている鍋谷にもらい泣きしそうになる胸の動きを否定しても始まらない。わたしは小林(怪我しちゃった創造のMB)でも渡邉(同セッター)でもないから彼らの気持ちなんてわからないけど,18歳なりに,いままでの人生のすべてをかけててここで燃え尽きていいって思う気持ちも否定しきらん。そこで止めるのがオトナの仕事かもしれないけどさ。メンタルってバカにならないわけで,そこで止めることが100%正しくてこの先絶対何の問題も生じないなんて,誰が断言できるよ,って,見てないわたしは思った。実際問題本当に洒落にならないレベルだったようなので,その線引きも,すごく難しくて,結果論でしか言えないのだろうけれど。


って,それは別の問題だ。


要は程度問題なのかなと。やたらと美談にして感動させようとする演出は鼻につく。押し売らなくても勝手に感動するからほっといてくれればいい。でもその要素をかたくなに拒否してそぎ落として,スポーツの試合部分のみ取り出すのも,ストイックすぎて方向性が違ってくるんじゃないかと。


もっとも,トップリーグや国際大会とはレベル(というか質というか種類というか)が違っても,そのレベルなりカテゴリ内での技術や戦術みたいなものは当然あるだろうから,そこを掘り下げて楽しめるようなコンテンツであらまほしい,という競技ファンとしての希望も一理ある。県大会からトーナメントで参加校は多く全国から集まってくるうえに会期は短いという大会の性質上,叮嚀な取材や戦力分析は難しいだろうが,できる範囲でもう少しそっちにパワーを割いて欲しいなと。でもそれはそれで,具体的にどんなものを求めているかと問われると具体案が思い浮かばない。戦略チャートみたいにして○○が弱いみたいにシビアに出ちゃう戦力分析はしづらそうだし,かんたんにタイプ分類されて理解できる土壌もわたしにはない。


今回予習なしで乗り込んでそれなりに楽しめたけど,それなりじゃなく楽しむには何があったら良かっただろう。と,テレビ放送を見ずに書いてみる夜。


テレビ放送で進路情報がぼろぼろ出ているらしいので,そちらが気になっている。どこかまとまっていないかな。次月の月バレに載るかな。今月(2月号)に間に合えば凄いけど。

足の置き場,拠り所,或いは,帰る家


知らないチーム同士の対戦を見ていても,見ている間にどちらかのチームを贔屓するようになることが多い。贔屓というほどでなくても両方同時に把握するのは難しいので,自然と視点がどちらかに寄ることにはなる。試合中になんとなくどちらかに寄る場合もあるし,何らかの繋がりで事前にある程度決まっている場合もある。


事前の場合,わたしにとって高校カテゴリは今のところ主戦場ではなく春高の全国大会をちらっと見る程度なので,Vリーグや大学で知っている選手の母校という見方になる。または,すでに進路が発表されている選手の様子見。そもそも大学からして今でもその傾向を引きずっている。


そうやって都度都度の試合を観るのとは別に,「○○のファンです」って言える対象チームが欲しいなあと思い始めている。去年の12月ぐらいから。ここ数年,見ていて好もしいと思える選手やチームはいくつもあるけれど,一つに絞れない。いろんな選手に対してミーハーにきゃっきゃ言っているのは気楽で楽しいが,どこそこファンという状態にないのが少し寂しい。


必ず選手が入れ替わっていく学校という枠で,それでも変わらないカラーを感じ取って好きなチームが安定するまでには時間がかかるだろうし,自分がそこまで長い間べったりと力を入れていられるかもよくわからない。


Vリーグのチームには,とくにプレミアには,まだ,少しだけ,抵抗がある。今更どの面下げてと思うというか思われるんじゃないかと自意識過剰になっているというか。


でも,きっかけなんて些細なことで実はどうだってよくて,一度自分の中にすとんと落ちたら,あとは理由も何もなくなる。そういう無条件に贔屓できるチームを心の中に持っていることの安心感が欲しいな,と。


今シーズンを迎えるにあたって少し自分のこわばりが緩んできた感じはしている。遠くない日に殻が破れるかもしれないと,なんとなく。まだ先は見えないけれど。

*1:藤中。3年前JOC決勝のテレビ放送でちらっと見たことがあったのでうっすらわかった

*2:雰囲気から栗山かなーと思ったらやっぱり栗山だった

*3:雰囲気から冨田かなーと思ったら以下同文

*4:たぶんにレフトエース。たぶんフロントオーダー

*5:複数コートのときからタラフレックスオレンジコートなのは流石。

*6:と思ったらまだ2年生だったという。上背だけもう少し欲しいけどまだ伸びるかもね。