2013/14Vプレミアリーグ男子ファイナル@東京体育館
3位決定戦 堺ブレイザーズ3-2東レアローズ
ふと,1年前の優勝決定戦での千々木と伊藤を思い出した。
あれから1年。1年しか経っていないのか,1年も経ったのか。
今日の伊藤はセカンドリベロとしてベンチに入っていた。つまり事実上試合出場はないよ,ということである。福岡でのセミファイナルからそうだったらしい。坂梨がレシーバーとしてコートプレーヤーのユニフォームを着ている。
まあ,なんだか,今季大流行した,セカンドリベロのレシーバー登録および後衛WSにかえての3ローテ守備固め。個人的には好かん,とだけ書いておく。時と場合によるので全否定するつもりはない。どこもかしこもどんなときでもルーティンで使っているのが好かん。まるでノーアウトでランナーが出たら必ず送りバントをするかの如く,だ。
話が逸れた。
つまり,今日は困っても伊藤が助けに来てはくれないんだな,ということだ。
千々木はがんばった。どうやら故障していたらしい伊藤にも忸怩たるものがあるだろう。選手のお気持ちを妄想して決めつけるのは好きじゃないけど自分は勝手にやるよ。リーグ開幕は千々木が故障していて伊藤がレギュラーを張っていたのだ。
かたく抱き合った1年前のあの日とは違って,今日の幕切れの2人は至極そっけないものだった。でも,いちゃこらしてほしいのは完全にわたしの好みなので。
同期のライバルはずっと同期のライバルだもの。そして,今日は松岡も一瞬だけ試合に出た。主に,ものすごく乱暴に言えば「投げたセットの終盤にぺぱ休憩のために入れられる」役回りで,敗戦処理投手もいいとこなんだけど,でも,それも重要な役どころなのだ。
この1年で,正セッターは佐川翔にかわった。ように見える。要所でペッパー頼みになりすぎる嫌いはあるが,それ以外の場面では,積極的にMBを使っていく。拾われても止められてもめげずに上げるところが好きだ。
今村はバックアップに回る。今日もぐだってきた翔ちゃんのバックアップとして出場し,仕事をした。内藤さんと同期なんですがベテランに見えるのは何故。
ぱんだちゃんも出たし,なしぴーも出た。できたんも出た。手術あけの横田も帯同し,足を引きずってアップゾーンに何かを耳打ちしに来た。それがベンチに伝達されていく様子。横田負傷の穴を埋める内藤さんは,武器のサーブで貢献した。
第4セット,セット終盤に逆転がかかっていた場面。ペッパーのサーブのとき,アップゾーンの全員が,お揃いのレモンイエローのパーカで,背中を組んで(肩を組んで?)固唾をのんでペッパーのサーブを見守っていた。残念ながらブレイクならず,そのあとは肩組みはなかったのだけれど。
昨年の優勝チーム。優勝は逃した。勝って終わりたいリーグの締めくくり。みんなで戦って,どうにか勝った。わたしの都合で言えばストレートで終わらせてほしかったし,フルセットになった一因は堺が途中自分達でぐだりモードに入ったためだとも思っている。
でも,このチームのこういう団結力はやはり嫌いじゃないな,と嬉しくなったので,また来年の1月にはBSCの会員を継続しようと思う。今のところは,ね。
一方の東レ。あわやストレート負けから息を吹き返したのは,第3セットの大木の投入がきっかけだった。
大木が入ってから空気が変わった。というようなふんわりしたとらえ方しかできないのは歯がゆいのだが。
俗に「『米山の対角』問題」と呼ばれる(わたしが勝手に呼んでいる)東レの課題をそのまんま表したような試合前半だった。スタートが鈴木で,角田に代わって,そして大木。大木に代わってからは最後まで大木だった。後衛で瀬戸口にかえた場面はあったけど。
リベロは井手スタート,途中から田辺。MBは篠田富松スタート,途中から篠田→黒木。
セッターは近藤スタート,途中から王,いちど近藤に戻して,最後どうだったっけ。
米山の対角問題に気を取られている間に全ポジション世代交代問題が起きているのがたぶん今の東レで,今季はそれに苦しんで4強入りも危ぶまれた(ほとんど無理だと思っていた,ごめん)ぐらいだった。
3位決定戦,東レもまた,ベンチにいる選手がほとんど(相澤をのぞいて)出たわけだ。
大木という一石がとても効いて,接戦になった一方で,現実をつきつけられたというか。ある意味残酷な試合だったな,と試合後に外に出てほてほて歩きながら気づいた。こわい。
優勝決定戦 パナソニックパンサーズ3-2JTサンダーズ
JTは勝てば初優勝。ファイナルの場に出てきたのも久しぶり。現行方式になってからは初めてのはず。
ここ数年6位定位置,昨年はあわや入れ替え戦出場というところまで低迷を続けていたので,2位でも大躍進ではあった。あと一つ勝てば,の「一つ」は小さくない。
越川の加入はもちろん小さくないけれど,越川だけではなかった。
今日は越川無双とはならず,越川の調子がよければ或いは,なんてことも思わないでもないのだが。
良く言えばサーブの殴り合い,悪く言えば大味な試合だった。
イゴールのサーブで○連続得点,次のセットは福澤のサーブで○連続得点。
両チームサーブでがつがつ攻めていくので,結果としてサーブミスも少なくなくこれがテレビ放送なのは果たして,とも思うが,いつものNHKBSなので今更である。
いずれにしても,パナソニックの方が上手にみえた。うわて,ね。
レギュラーラウンドも,途中で首位に立ってからはもつれる下界をよそにずっとキープしてさっさとセミファイナル進出を決めた。頭一つ抜けていて,そのチームが優勝したのは当然だと思う。
このカードだと,心情的にはJT寄りになっちゃうけど,でも,優勝するならパナかなっていう。
パナは憎たらしいぐらいのチームで良いと思うので。
主将の永野の声が低くてびっくりした。
JTはね。安永と八子がフル出場してたり,井上がメインセッターになっていたり,途中から深津が出たり。贔屓選手が多いのでかわいいです。アップゾーンの人にも(出番はなかったけれど)釘付け。後ろ頭がかわいい。
途中から深津兄弟対決になったことにはかなり盛り上がった。大学リーグでいつも姿をお見かけしていたご両親もあの会場のどこかにいらしたのだろうか。そしてどのような気持ちで戦況を見とどけていたのだろうか。
今日は客入りが多かった。大企業チーム同士のファイナル,立地も良いとあってか,動員が半端なかった。3階席まで応援席。団体の高校生もたくさんいた。でも,北3階スタンドも開放されていたし,そこも含めると一般のお客さんも少なくなかったと思いたい。
今日は最初から最後まで1人でいた。ちかごろは小さい箱の観客の少ない試合を見ることが増えたので,知り合いの姿を見かけもしないことは滅多にない。ほんとうに久しぶりだった。基本的に1人観戦が好きなくせになんてらしくもなく寂しくなって,つい独り言の数も増えた。
でも,会場にたくさんいたのは知っている。知り合いがいるのに気づけないぐらい知り合いじゃない人がたくさんいる。それが普通なんだけど。というか,普通であってほしいんだけど。
大勢の一般の(招待かもしれないけど)お客さんの中には,親とか友達とか知り合いとか,いるんだよな,って。遠くなっても。
表彰式
優勝決定戦終了後,コート上に設置された壇で,準優勝チーム表彰→Vリーグ栄誉賞,トップリーグ機構の優秀GM賞,Vリーグ功労賞,ニューヒーロー賞,スコアリングスキル個人賞各賞。優勝監督賞。
そのあと,北スタンド2階のVIP席前にて,優勝チームのチーム表彰。木村氏による閉会挨拶。
優勝チームがアリーナに戻って,サインボール(モルテンの公式試合球だよ)の投げ込み(打ち込み)かたがた場内一周。それから記念撮影。
という流れだった。
ファイナル含めたリーグ全体の個人賞は明日のVリーグアワードで発表とのことで,本日の個人表彰は,レギュラーラウンドの個人技術成績にもとづく各賞の表彰と,特別賞,優勝監督賞の発表・表彰のみ。
これらの各賞はここのところ3位決定戦と優勝決定戦の間に行われていたのだが,今年は優勝決定戦後の表彰式・閉会式で行われた。表彰式が寂しくなりすぎるからなのか,試合間の企画が豪華だったためか(VリーグOB・OG対東亜学園高校のドリームマッチ。豪華メンバーが往時のユニフォームで試合をしたそうで,しかも相手が東亜と聞くとちょいと未練)。
明日は,ベスト6,ベストリベロ,レシーブ賞,最優秀新人賞,敢闘選手賞,MVP,ですかね。
……あれ,セッター賞って,ないんだっけ(去年のメモにない)。
ちゃれんじも明日発表&表彰あるよー。
Vリーグ栄誉賞
230試合出場
みな,新人のころから活躍していた選手。ほぼ10年目ぐらいでの受賞である。
若い頃の顔を知っている(武に至っては,わたしには珍しいことに初見が高校生だった)ので,場内カラービジョンに大写しにされる各選手の顔に刻まれた歳月を思う。みな,素敵に年齢を重ねたいい顔をしていた。歳を取ったなあ,と,悪くない意味で,思った。
日本記録更新
どちらも越川さん。そして,その前の記録保持者はどちらも山本隆弘さん。
そういうことになるんだなあ。
Vリーグ功労賞
- 加藤陽一(つくばユナイテッド Sun GAIA)
- 濱口純一(東京ヴェルディ)
いずれも,長く現役を続けていることとチームの運営にも携わっていることで,Vリーグへの長年にわたる貢献やVチャレンジリーグへの貢献が評価されたとのこと。だったとおもう。うろ覚え。
2人とも,スーツにネクタイ姿での登壇。かっこよかったああああああ。
濱口さんは法政大の監督だし,加藤さんもテレビのゲスト解説の機会も多い。そんな彼らを「選手」の敬称で呼んだのは素敵だった。
ニューヒーロー賞
- 井手智(東レ)
東京オリンピック開催が決まったから,オリンピックでの活躍に期待を込めた特別賞として今年作ってみたよ,みたいな説明。
会場外各所で最優秀新人賞と混同される事案発生。(最優秀新人賞が別にあるという明記は見ていないが,今季作ったで賞とは明言していないので,たぶん別にあるはず)。
7年後の年齢を考えると結局新人賞対象者と同じになってしまうという。ゆえに準最優秀新人みたいな印象になってしまう。7年後29歳,リベロ。チーム合流後の出場試合数が多く結果も(見えづらいポジションだけど)たぶん出した。そんな井手の受賞に異論はないけど,賞そのものの意義はいまいち。うーん。
賞の位置づけを考えると,明日発表のほうが相応しいんちゃうん? というのも込みで。
しかし登壇した井手が激しくかわいすぎたので,そんなもやもやはすっとんだ。かわいすぎる。
大学リーグの会長特別賞みたいなものだと思うことにした。
個人賞(レギュラーラウンドの以下略)