東日本大学選手権・4日目(準決勝)

北海きたえーる


現在17時20分。晩ごはんの前にいちどホテルに戻ってきました。熱いうちに熱い物を。でも,30分もないので,順次書き足します中。


準決勝は11時半第1試合開始。女子がAコート,男子がCコートで各2試合。明日3位決定戦があるので今日いるチームは明日もいる。特設コート×4試合のほうが嬉しいんだけど。アナウンスとか呼び込みとか欲しいんだけど。

青山学院大学3-1中央大学(25-20 21-25 25-23 25-21)


青学:8望月 6中道 9中西 13小田島 18山田 1渡辺 L14長田


中大:16伊藤 15鍬田 8平井 11中野 2富田 4水野 L13土岐


セッター伊藤の挑戦。土曜日になったら人が増えるなんてことはなかった。


オーソドックスな組み立てになるのは仕方が無い。梅本がユニバ代表のため不在,というのも相まって,MBの打数は少なめだった。コンビバレーではなくていねいにトスを上げて,アタッカーの力量で勝負する,そういうスタイルを選択したものと思う。


たまに謎采配はあった。OPの中野が下がるときにリリーフサーバーで牧山を入れ,ワンブロで都築。牧山サーバーはまだわかる。中野は気持ち良いサーブを打つが,気持ち良くアウトにすることも多いので。でも,伊藤はこの試合中もブロックポイントが多く,前衛で穴になる身長でもなく,交代枠を2つ使ってしまう理由は,ちょっとわからなかった。


伊藤のセッターを良いとか悪いとか論じるのはなんか違う(けして悪いとか駄目とか言いたいわけではない)。とはいえ,バックアタックのアタックライン踏み越しや,被りぎみで打ったスパイクのスパイクアウトといった中大のエラーが青学を助けていたのも否めない。それらのスパイクフォルトの原因をトス帰するのは乱暴すぎるしそんなつもりもないけれど。少なくないサーブミスも,ワンプレーでブレイクできる機会を逃してしまうし,どうしても気持ちがずっこけがちになるし。


富田だしな。って,そんな富田が好きなんだけどさ。


ちゃんと観るのは初めてだった青学。MBの渡辺周馬は「ポジション渡辺」気味の選手で,安心感も安定感もある。対角の中西も渡辺に比べると目立たないが,良い左打ちのMB。


サイドは,大会中いろいろ出たり出なかったりだったようだが,今日は中道・山田の対角で小田島がOPだった。1年生の山田亜藍とリベロの長田が高川だったか。高川対決観たかった……じゃなくて。


レセプションの入り方やブロック・スパイクの入り方は,テンプレート通りではなく,状況に応じて色んな選手がいろんなポジションに入る。コートの中でそれを判断し指示を出していたのは中道のようだった。


上背もないし,アタック決定率のアベレージでも中大より下回っていそう(わからんけど)だけれど,素早い状況把握とその対応,そして望月の安定したトスとで試合を物にした。月並みすぎる表現だが,「全員バレー」。


春高のスター勢揃いという顔ぶれに印象操作されているのかもしれないが,高校っぽいな,という感覚は受けた。


試合展開としては,セットカウント1-1で迎えた第3セット,終盤までもつれ,どちらかというと中大がリードしていたのを,20点過ぎてから青学が追いつき,逆転で取った。これが大きかった。そのときの青学コートの喜びかた。第4セットもやはり終盤まで競っていたが,第3セットと同じく,中西のサーブのローテーションでブレイクを重ねて逆転した。


去年の冬の福山平成大学もそうだけど,トーナメントは短期決戦で勝ち上がれる夢がある。きっと筑波のアナリスト勢が丸裸にしてきただろうけど,さらにその上をいけると楽しいと思う。

明治大学2-3筑波大学(22-25 25-21 21-25 30-28 11-15)


明治:2鎌田 23安井 9池田 1小松 15三輪 13上林 L14瀧田/21鳴尾


筑波:20阿部 13吉田 14坂下 8小澤 25西川 27垂水 L12山口


最後は,体力だった,と,思う。いつもそう。主義として断乎として練習量とか言いたくないんだけど。でも,明治はおそらく体力の限界を超えていた。


明治は比較的トーナメントにはくじ運も含めて強いほうで,リーグ成績にかかわらずベスト4に入ることは多い。それなのに決勝戦が果てしなく遠い。2013年の優勝以来,東日本全カレいずれも,決勝戦から遠ざかっている。


いつもそう。バナナでも投げ入れたかった。いや,ここは羊羹と言うべきか。知り合いに試合前にはご飯が食べられない(食べないほうがいい)って人もいるしそれもわかるけど,こういうダブルヘッダありの連戦の大会での試合中の補食というか筋肉疲労の軽減って,どうすればいいんでしょうねえ。


ということを,準決勝敗退の度に書いてるような気がするのよねえ。


筑波はエバデダンが今大会ベンチアウトということに関係しているのか,それとも“MB1”*1等に挑戦でもしているのか,かなり変則的な布陣。この大会でいくつかバリエーションを試している様子だった。


準決勝第2試合,決戦の火蓋が切り落とされ,筑波のスターティング6は,吉田がMBに入り西川と対角を組む。小澤がOP。坂下・垂水のアウトサイド。の,フロントオーダー。リベロは両MBの後衛に入っていた。


観る者を混乱させるのみならずやる側も混乱する。自チームサーブのとき(つまり目玉通りに並ばないといけないとき)に一二度,坂下が小澤に「そっちじゃなくてそっち」と指示をしていた。


筑波は第1セットを取って,第2セットで大きく布陣を変えてきた。西川→阿部→小澤→坂下→吉田→垂水のサーブローテ。バックオーダー,小澤・垂水対角,坂下がMBで吉田がOP。


理解が及ばない。そして,それこそ(青学じゃないけれど),ポジション通りのセオリー固定の動きをするわけもない。前衛でのブロックシフト(誰がまんなかで跳ぶか),そのあとのスパイクの位置(誰がどこから打つか),レセプションの陣形(誰が取るか),そしてリベロの出入り(基本的に西川と小澤の後衛で,小澤のところは2ローテぶんだったか,吉田の後衛にも入っていたか)。当然「坂下がセンターだからセンターブロック」ってことでもないし,西川もサイドから打てるし,ローテーションはぐるぐる回るし試合はどんどん進む。把握しきれない。


把握しきれないうちに筑波がセットを落とし,第3セット以降は第1セットのかたちで固定された。しかし,第1セットのかたちでも変則であることに変わりはない。見ている側としては,ものすごく興味深くて面白かったけれど,そこだけ観ているわけもなく,関心の主眼は勝敗の行方で,ボールの動きから人の動きから得点経過からと観るべきところが多すぎて,本当に疲れた。


プレーするほうは頭だけでなく身体もフル回転で,明治は第4セットにはとっくに限界が来ていた。サイドアウト率の低い展開で,18-15と後半に3点差ついたときには3-1で終わるだろうという見立てもあった。


そこから明治がリリーフサーバーの千葉のサーブで崩して一気に追いつき,長いデュースの末フルセットにもつれ込んだ。セット終盤デュースになってからの明治の粘りは舌を巻かんばかりであったが,正味の部分では筑波のミスに因るところが大きく,5セット目に良い形で入れたのは筑波のほうだった。


明治がスタミナ切れで肩で息をし足が動かなくなっているときにも,筑波の運動量は落ちていなかったが,要所でスパイクアウトが連続して出てしまうのが,筑波の弱点と思う。なんとなく。一方の明治は池田が調子がよく,とくに崩すサーブが効いていた。攻撃は,困ったときのMB頼み傾向は変わらないのだが,安井三輪が良く決めていた。後半には繋ぎがうまくいかない感じになっていたが,それでもボールを繋いでリバウンドを取ってとハードに動こうとしていた。


面白い試合だった。すごく面白い試合だった。最終セットは気力で稼働している感じが否めなかったが,面白かった。タフな試合を筑波が制した。筑波の複雑極まりない選手起用をやり遂げ,戦い抜いたことも含め感嘆しかない。だいたい「かっこいい」しか言ってなかった。小澤もそうだし,西川もだし,そして,なんといっても垂水。垂水くんほんとにめちゃめちゃかっこよかった。


第5セットになってもまだ坂下に「そっちじゃなくてこっち」されてる小澤がおかしかった。大丈夫か。


筑波大も,シルバーコレクターになっていて,優勝からはしばらく遠ざかっている。青学との対戦,地力も選手層も筑波に分がある。ひとつタイトルを取って,今年後半に弾みをつけたい。

小学生バレーボール教室


試合後に,小学生チーム4チームぐらいのバレーボール教室をしていた。進行はたぶん道内の小学生組織(団体?)の指導者さんで,手慣れた仕切り。見本というか相手というかお手伝い係として,早稲田男子から3人と東海大女子から5人。


パスなどの基礎練の後,コートで大学生含めだいたい6:6ぐらいに分かれて10分ミニゲーム。女子は小学生用の低いネットだったけど,男子は243でやっていた。小学生男子は皆かがまずにネットの下をくぐれるサイズで,お手伝いメンズと並ぶとミニチュアサイズ。それでも,コートに入るとみんな楽しそうに銘々思い切りジャンプして白帯に触れようとしていて,微笑ましいやらかわいいやら。何がすごいって,自分と同じかそれよりも低い身長なのに白帯に届く選手が何人かいたこと。自分はどんなにがんばってもネット中段。そして,サーブ,前に出て打っていいよと言われていたけれどみんなエンドラインから打ち,そして相手コートに届く選手が何人もいた。さすが男子。


スパイクはだいたいネットにかけていた(のでほぼ試合の体は為していなかった)が,奥のチームは途中からセッターをレイモンドせんせいが担当することでトスが安定し,弓なりながらもネットをこえるスパイクも何本か出て,とにかく男子かわいい。つぎの北海道開催だとまだ早いかもしれないが,そのくらいのころには春高とかインターハイとかでこのコートで243のネットの上から打ってると考えると,趣深いものだった。


40分ぐらいのイベントは,試合観戦後のぐったりした気力の恢復にちょうど良く,きたえーるを引き上げた。明日は最終日。

*1:何年か前の女子代表のコンセプトワード