女子の指導者って不思議と男性ばかりで,
どこから湧いて出てくるんだろうと疑問に思っていたものだけれど,選手名鑑を数年眺め続けてきた結果,元男子選手がいつのまにか女子チームのコーチになっている例を数多く見るようになった。なるほどこうやって女子指導者が形成されていくのだね,と,思ったものであったよ。
またもやご登場願う北川君は将来指導者になろうとしている由,その布石としての「嘱託契約選手」であり移籍であるそうな。少し前から「まだ若くて現役なのに妙に書いていることが縁側日向ぼっこの隠居臭いな」とは思っていたけど,後進の指導者的視点で人を見ていたのやもしれん。
「現役時代にかなり活躍した選手でも引退後多くは会社に入ってサラリーマン人生を送る」のが実状。それを勿体ないと思う考え方は確かにあるけれど(その気持ちはわたしにもある),他人の人生設計,口を挟むことではない。生活の安定を優先することは妥協でもかっこ悪いことでもない。先の見えない道を選ぶ人をかっこよく見るのは勝手だけど,少なくとも,だからってアンタがメシ食わせてやるわけじゃないだろう,とは思う。(不安定であろう人生設計について安易なドリーマーだと思っているわけでもないよ,念のため)。
それに,「名選手必ずしも名監督ならず」のことわざ(?)もあるように,適性もある。本人の志向もある。どっちがエライってことではないということだ。その上で,この歳にして既に先を見据えて動いている北川君を,同い年の人間として「エライなぁ」と思う気持ちはあるし,応援したくはなる。それは大変そうだからとかじゃなくて,ちゃんと考えていてエライなぁ,大人だなぁ,あたしは毎日適当だもんなぁ,みたいな感じだ。
彼みたいな決断をしなくても,引退後(自チームであれ他チームであれ)コーチ→監督になる選手はそれなりの数でいる。当たり前のことだけど,全員が業界から足を洗うわけではない。だけど,社会人の上の方の層のチームだけで見れば選手の数よりコーチ・監督の数の方が少なくていいからそれは一握りでいい。そして,彼なら,何もしなくても望めばそれぐらいの引きはありそうに見える(政治的な諸々も絡むだろうけどね)。それを敢えて今から諸々準備しているということは,たぶん,ちょっと違ったことを考えているんじゃないかと思う。単に生真面目なだけかもしれないけど。
だから彼はいつかわたしの目に見えるところからはいなくなってしまうかもしれないけど,それはそれでいいんかな,と思う。ただ,願わくばもうしばらくは現役を続けて,いい成績を残して欲しいかな。合成のセンターといえば,同い年の人がいますが。どきどき。