変わらないこと,続いていくこと,新しいこと


地球上のいろいろなものを吸収して化学式的な働きをおこないながら二酸化炭素やらなにやらを排出する生命活動も35年目に突入した。その傍らで,別のところで地球上のいろいろなものを消費して化学式的な働きを行わせてもいる。ほかのいろいろな生命体の活動のもとで。


それは地球の歴史や地球上にあまたある生命体のそれぞれの営みの中では塵程度にもならないけれど,おかげさまで日々を良く過ごすことができている。今のところ,生きていることは良いことのほうが圧倒的に多い。しあわせなことだ。


一方で,今日一日をどう過ごすかを考えていたとき,自分が,歳を重ねるごとにもともとの保守的な傾向をさらに強めていることを実感した。せっかくの誕生日の夕食なのだから特別なごはんを食べたいという気持ちと,そこが初めて訪れる店であるリスクを天秤にかけて,結局,冒険はしないことにした。馴染みの店で,いつもより長居していつもよりは贅沢をする,ささやかだけれど確実性の高い選択。


今の暮らしが満たされているから,変わることが怖い。


今日は好きな服を着て出かけようと思ったけれど,なんだかちぐはぐになって朝からすっきりしなかった。でも,新しくおろした下着は気分が良かった。仕事ではちょっとしたハプニングで昼休みが短くなったけれども結果的には悪くなく,と言いながら幾つかの案件をしっかり翌日に残して帰るあたりもいつも通り。文庫本を買っておいしいコーヒーを飲みながらのんびり読み,昨日CDから落としたばかりのarkを聴きながら帰った。夕食時に隣の席に座っていた男性がとても素敵で,軽く捲ったワイシャツから覗く腕時計を嵌めた右腕が殊に色っぽかった。


一年の中の一区切りではあるけれど,それを機に新しい目標を立てる意欲は失せてきて,今の恵まれた贅沢な暮らしをほそぼそと続けられればそれがいちばんと思うようになっている。いつまでも続くわけがない。その不安の裏返しのように,何もしない抵抗をしている。


らるくは20周年なんだそうだ。20という数字の重みを感じ,初めて聴いたときの自分が高校生だったことを考えて,つまりそれから20年近く経っていることを不思議に思う。あのころ20年先のことなんて考えたことはなかった。考えても不安しかなかった。だけどなんだかんだで今までやってこられた。その間彼らが活動を続けていることは,振り返ればあっと言う間にも見えるけれど,改めて,すごい。


今日はSIX/NINEの日だし来週は星野さんのお誕生日なのに,空前の90年代ラルクブームがやってきている。CDは売れなくなったけど1枚ずつCDラジカセに入れてたときに比べてぐっと音楽は身近になったし,好きな曲はいつ聴いても色あせない。hydeさんの変わらぬビジュアルに舌を巻きながら,B-T・ラルクと並ぶ自分のライブラリを前に,ファンに支持されて安定した活動を続けている人達の底力なんてものを考えたりする。


とりとめなく書いていたら日付が変わってしまった。まあ,こんな調子です。これからもよろしくお願いします。