帰りに新宿のMYCITYにちょっとだけ立ち寄って

呉服売り場とか和装小物屋とかを見て回る。MYCITY,建物の規模の割に充実しているのさ。値段そこそこだし。しかし,そもそもが夏のバーゲンが始まったところで人出が多く,加えて和装関連業界はゆかたを売るのに手一杯,もともと広くない売り場がゆかたに占領されている状態,そこへゆかた目当てのお客さんがごった返している,と。


ゆかた,今が一番の売り出し時期なのかも。わたしは5月の後半からデパート等さんざん見て回っているので,今更感漂いまくりなんだけど。デパートに比べるとぐっとお手頃価格だが,もう食傷気味。みんなさぁ,そんなにゆかた買っていつどこに着ていくのよ。あー。都会はイベントいっぱいあるからなぁ。


けっこういいお値段なのに毎年あんなにたくさん出ていてそれが売れているというのは不可解な現象だ。


そんな,一年に一度しかなさそうな「お客さんで賑わうお店」でわたしは夏物の帯揚げ・帯締め半襟あたりを探してうろうろしていたんだけど,結局のところ帯がどんなだったかは覚えていない上に何より着物そのものが一枚もないので,いくらお手ごろ価格でも購入には踏み切れないのだった。そりゃそうだ。あわせようがない。


しかしそうこうしている内に,某大手呉服チェーン店で,素敵な夏着物の反物を見つける。さすが大手チェーン。白地の極薄の玉繭ちゃん紬地という,透けるだの汚れだの手入れだの考えたら恐ろしく経済効率の悪い(買っても着るのを躊躇うような)シロモノが,仕立て代込みで税込71000円だ。安い……かも(←既に金銭感覚故障)。帯とセットで13万円ぐらいだったんだけど,帯はいらん。それがほんまに良い感じに素敵な柄と手触りだったので,「こんど帯持って来ます〜」などと調子のいいことを言ってしまった。


本当に買うかどうかはわからん。というか,たぶん買わない。初志を振り返ればわたしは紺地あたりの麻の着物が欲しいのだった。7万円ちょいというのは絹の着物の値段としてはお手ごろ価格ではあるが高いことにかわりはなく,それぐらいになると伊勢丹で見せてもらったうす紫色の小千谷縮をはじめ,機械織りの小千谷だと見つけられる値段だからなぁ。


白地はめんどくさいしなぁ。でも柄が気にいったんだよなあ。値段は手頃(←ソウカ?)でも色や柄がもう一つってのが続いているんでねぇ。夏物は家で洗いたいが,さすがに絹は引くよなあ。


何が良くないって,若い男性の店員をつけるのは,どうなんか。地味〜なTシャツGパンノーメイクの20代後半の女性が既製品のゆかたに目もくれず反物ばかりまじまじと見てて,そういうヤツってうっかり金持ってたりするかもしれねぇ,と店員さん達は考えているに違いないわけで,そういう人間には若いちょいと見た目素敵なおにいちゃんつけときゃ落ちるだろうって手法で,いやもう,茶パツに怪しげな柄の着物(男物にしてはめずらしいと思ったら反物は女物だそうで小柄の為せる技か)に素足に下駄で,妙にかっこええっちゅぅか,キミら普段は接客に着物着てへんやろ,そうか,建物はバーゲンセール中だしゆかた大売り出し中だから着てはるんやな。と。いやもうどうでもいいんだけど,かわいいじゃねぇかちくしょう。それで脳みそなさそうだったら願い下げだけど,下手なおばちゃん店員さんよりか気の利いたこと言ってくれるんだな,これが。むむぅ。(1:41)