またも草履(の類いの和装履物)を買った話:2022年夏

前回の続き。
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さほど遠くない昔に、同じように、衝動買いとまでは言わない、それなりに検討したけれども、そうは言っても急ぎで必要に駆られているものでもないのになぜか必要に駆られているような錯覚に捕らわれてしまって草履を買ったような記憶が、おぼろげに、ある。あれは去年の始めごろのことだった。
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去年買ったのはほんとうに草履(という言い方も妙だが)で、出番は限りなく少ない。買ってから約1年後に、付け下げを(シュミで)着た時に履いた。今のところはそれだけ。
たしかに、付け下げと手持ちのカフェぞうりはちぐはぐだった。草履は必要だった。けして悪い買い物ではなかった。けれど、もう少し選択肢がある状況だったり安く買える機会だったりを待っても良かったでしょうよ、という。わたしの買い物はそういうのが多い。あまり良いことではない。

草履を買ってからも、草履を履くような改まった場もないので、専らカレンブロッソのカフェぞうり。位置づけは下駄と同じぐらいだと思うんだけど手持ちの下駄よりは草履っぽく見えておさまりが良いのもあって、重宝している。ただ、そこまでめちゃくちゃ歩きやすいというほどでもないので、次にこの類いの履物を買うなら余所のもう少しクッション性の高いものを、と考えていた。
にもかかわらず、たまたま、近日中に8月にカレンブロッソの東京ミッドタウン店でその場で鼻緒を箝げるフェア(?)があるというのを見てしまい、春夏っぽい色合いのものを買うなら今しかないと思い込んで、六本木まで行ってしまった。
またやってしまった。なんということ。

東京ミッドタウンは都会ど真ん中なかんじでビル全体が都会で、身の置き所がなかった。
買い物は楽しかった。あれこれ相談しながらいろいろ組み合わせて見せてもらって、最終的に、薄いねずみ色の台にくすんだ淡い青色の鼻緒を箝げてもらった。もともと持っていた暖色系と正反対の寒色系で、青系統の着物にもなじんで満足。幸い買って1年ずっと眠るようなこともなく、10月に2度履いた。
なので、悪い買い物ではなかった。でも、案の定べらぼうにお高かった。
可及的速やかに必要なものではないからって「その類いのもうちょっとクッション性が高くてもっと安いもの」を買う場所と機会が約束されているわけでなし……趣味の散財って、どうしても勢いになっちゃうよね。悪くはない、が、気をつけねば……。

この話はそれで終わるのだけれど、少しだけ続きがある。
六本木に行った日は家に居る間から雨が降っていた。次第に止む予報だったものの、雨に備えて夏用の雨コートを着て、時雨下駄もデビューさせた。
はじめはバランスを取るのが難しかった下駄にも慣れ、うきうきしながら箝げ終わるのを待っている間にふと足もとをみたら、爪かけが、ぼろぼろだった。箱から出して履いて家を出たときには、綺麗だったのに。履いて歩くうちに傷んだにしても、激しすぎる。
はて、これはどうしたことか。

経年劣化。以上。
はるか昔に買ったっきり、履く機会がないまま下駄箱をあたためていた。時雨下駄は買ったものの雨コートがなくては意味がなく、そのうち着物も着なくなっていた。時折箱から出してによによしてまた戻すのを繰り返していた。
当時履いていた合皮の草履のウレタン(?)がとうに加水分解してめちょめちょになって処分してしまっていることを考えれば当然なのに、最初の見た目が大丈夫だったから気づかなかった。

過去ログを検索したら、買ったのは2003年の暮れだった。想像よりもさらに昔だった。19年前かよ。
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すごく気合いを入れて選んだのだなあ。もちろん購入当時のことはきれいさっぱり忘れている。
けして高いものではないけれど、たしかに気に入っていたし、使用0で駄目にするのはもったいなさ過ぎる。そう思ってそのあと10月にもう一度だましだまし履いたが、やはりぎょっとするレベルだった。さすがにもう無理そう。なので、写真を撮ってから捨てようと置いてある。それならばいっそ綺麗なうちに撮っておけば良かった。

ということで、履物はしばらく買わないと決意したはずなのに、おいおい、雨用の履物を考えなくてはならない。
今時は下駄の爪かけなどなかなかなくて、ECサイトでも爪掛単品で扱っているお店はかなり少ない。それに、鼻緒もそれなりに劣化しているからすげ替えたい、が、好みというものもある。
雨草履のほうがいいかな。でも、フリーサイズしかないんだよな。たぶん大きすぎるよな。
いずれにしても、今度こそ、慌てて買わないようにしないと、とだけは。